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住民に元気「奇跡のアジサイ」 藤沼湖で60年超生き延びる

住民に元気「奇跡のアジサイ」 藤沼湖で60年超生き延びる

アジサイの苗を前に「地域の人たちの気持ちを一つにしたい」と話す深谷さん

 「被災で傷ついた地域の人たちの気持ちを『奇跡のアジサイ』を通じて一つにしたい」。須賀川市の藤沼湖自然公園復興プロジェクト委員会委員長の深谷武雄さん(68)は地域住民の心の復興を願う。
 藤沼湖の決壊で甚大な被害を受けた長沼地域。「被災によって傷ついた住民たちの心を元気づけたい」との思いから地元・長沼商工会の遠藤吉光会長(62)らが立ち上がり、2012(平成24)年9月に同委員会を設立。昨年4月には復旧工事前の湖で「藤沼湖の湖底を歩く会」を開き、地域住民たちが同湖と向き合う機会を設けた。
 このイベントの下見の際にメンバーらが発見したのが「奇跡のアジサイ」。60年以上、湖水に覆われていたはずの湖底でヤマアジサイが群生していたことから、そう名付けられた。同委員会は、このアジサイを「地域の復興のシンボル」とし、「里親」を募って株を増やし、湖の復旧工事が完了する時に1万株のアジサイを周辺に植栽しようと活動を開始。県内外の100人近くが里親として登録している。今後は地域の小、中学校などにも協力を要請する予定という。
 「活動していく中で協力の輪が広がっていくことを実感できるとともに地域の人々の思いも感じることができた」と深谷さん。3年後の復旧工事完了に向けて「地域の人たちが地域復活への望みを抱ける活動に発展してくれたらいい」と思いを語る。
 深谷さんは地域のシンボルだった同湖が新しく生まれ変わり、湖周辺に奇跡のアジサイの花が咲く様子を思い描き、住民たちの心の中にも復興の花が咲くのを楽しみにしている。

 【須賀川・藤沼湖】 強度高め“ダム再生”
 震災で決壊した須賀川市の農業用ダム、藤沼湖は死者7人、行方不明者1人の人的被害に加え、家屋などの全壊、流失が21戸、大規模半壊が7戸など大きな被害をもたらした。県と市による復旧工事は昨年10月、本格的に始動した。ダムの本体工事を手掛ける県は強度の高い「中心遮水型フィルダム」を採用し、災害に強いダムとしての再生を目指す。
 一方、市は使用不能となった藤沼湖自然公園内の温泉施設などの周辺施設の復旧工事に当たるほか、決壊の被害に遭った簀ノ子(すのこ)川下流域の被災土地取得を進め、防災機能を持った公園などを整備する方針だ。
 復旧工事は、いずれも2016(平成28)年度中の完成を目指している。
 
 【白河・葉ノ木平地区】 防災機能備えた公園や公営住宅整備
 震災で大規模な土砂崩れが発生、13人が犠牲となった白河市葉ノ木平地区では、市が災害時の拠点として活用できる防災機能を備えた震災復興記念公園や災害公営住宅の整備を進めている。整備には国の復興交付金を活用する方針。新年度一般会計当初予算案に事業費を盛り込んだ。
 震災では、幅約130メートルにわたり、約7万5000立方メートルの土砂が崩落。2012(平成24)年12月に斜面の地滑り対策工事が完了した。公園には災害時、食料の煮炊きに活用できる「かまどベンチ」を設置するほか、食料などを備蓄できる倉庫なども設ける計画。公園への交通の利便性を図るため、接続道路の拡幅工事なども進めていく考えだ。
(2014年3月11日 福島民友ニュース)



 

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