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膨らむ心労…“最後の手段” 除染道半ば、営農再開断念

膨らむ心労…“最後の手段” 除染道半ば、営農再開断念

自宅前に広がる農地を眺める鴫原さん。「本当は村に戻って農業をやりたかったが、再開は諦めた」と複雑な思いを口にする =飯舘村比曽

 東京電力福島第1原発事故に伴い、居住制限区域に指定された飯舘村比曽地区では、降雪の時期を前に除染作業が進み、除染廃棄物の袋が仮置きされていく。帰還困難区域を除く村全域で行われる国直轄の除染には、約7500人の作業員が投入されている。
 「農業は、だめになった。帰還しても仕事はない。本当にどうしていいのか分からない」。避難先の福島市から片付けのため、自宅を訪れた鴫原喜市さん(66)は、牧草地や水田、花き農場などが広がる自宅前の農地を見ながら、ため息をついた。
 住んでいた比曽地区は、帰還困難区域の長泥地区に隣接する。「除染が終わった所でも放射線量は高い」。住民の間にある放射線量への不安が消えることはない。
 鴫原さんは、11月に帰還困難区域と同等の賠償を東電に求めるADRを集団で申し立てた比曽地区の約60戸の代表を務める。「避難指示が解除されれば、賠償はなくなる。今後の15〜20年を考えれば、(現在の賠償は)微々たるもの」。原発事故から3年9カ月が経過したが、除染はいまだ道半ば。鴫原さんの心の中にあった生活不安は膨らみ続け、ADRへの申し立てに動きだすこととなった。
 「本当は村に戻って農業をやりたかったが、再開は諦めた。(ADRは)”最後の手段”となってしまった」。この土地で農業を始めて鴫原さんで7代目。原発事故がなければ、県外から帰ってくる予定だった長男との営農を楽しみにしていた。申し立てした今、複雑な思いが心の中を覆う。
(2014年12月11日 福島民友ニュース)



 

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