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県原子力専門員・高坂潔氏に聞く 作業員安全確保最優先

県原子力専門員・高坂潔氏に聞く 作業員安全確保最優先

「工程ありきでなく、作業の安全性を高めながら準備を進めることが重要だ」と指摘する高坂氏

 東京電力福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールからの取り出し作業が予定通り完了した。県原子力専門員の高坂潔氏(68)に、今後の廃炉作業に向けた課題を聞いた。

 ―4号機から全ての燃料取り出しが完了した。
 「2013(平成25)年11月の作業開始からほぼ順調に進み、計画通りに終えられたことは、トラブル続きの廃炉作業の中で一筋の光明だ。より安全な場所に燃料を移送したことで、リスクが大幅に低減されたことは一定の評価ができる」

 ―4号機での作業完了は、今後の廃炉作業にどう影響するか。
 「今後は溶融燃料を含めた全燃料の取り出しをはじめ、汚染水処理対策、作業員の安全確保などを並行して進める必要がある。見通しが立ったとはいえず、課題は山積している」

 ―がれき撤去や燃料取り出しなど、放射線量が高い1〜3号機での作業はさらに困難となる。
 「原子炉内の溶融燃料の状況は分かっておらず、人が近づけないためクレーンなどの作業は遠隔操作となる。作業員の習熟度をいかに高められるかが課題だ。4号機では遮蔽(しゃへい)板を設置するなどして作業員の被ばく低減に成果を得たが、今後は除染をしても線量が落ちにくい場所での作業となる。しっかり段取りを立てて作業する必要がある」

 ―燃料取り出しや廃炉工程が遅れる可能性がある。
 「工程ありきでなく、追加除染や放射線の遮蔽対策などを検討し、作業員の安全確保を最優先に進めてほしい。多核種除去設備(ALPS)の処理水が配管から漏れた問題では工程を優先したばかりに、工事と運転作業を並行して行ったことが手順の誤りにつながった。東電は新たな問題が発生すれば、工程がさらに遅れると肝に銘じるべきだ」

 【プロフィル】栃木県出身。東芝で原子力プラントの設計などを担当。原子力規制庁技術参与などを経て、2013年4月から現職。

(2015年1月11日 福島民友ニュース)



 

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