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復興担う人材育成 ふたば未来学園、152人夢実現へ一歩

復興担う人材育成 ふたば未来学園、152人夢実現へ一歩

復興を担う人材になる」と意気込む、ふたば未来学園高に進む大熊中生徒ら。左が森山さん=会津若松市・大熊中仮設校舎

 双葉郡の中高一貫校として4月に広野町に開校する「ふたば未来学園高」では、1期生152人が古里復興への思いを胸に新生活をスタートさせる。同校では、県内各地に避難する郡内の中学校と共通した教育課程として古里の将来像を授業で考える「ふるさと創造学」を実施するほか、生徒が原発廃炉や風評の解消など地域課題の解決策を主体的に研究する授業を取り入れる。各界の著名人でつくる「ふたばの教育復興応援団」が授業を担当するなど独自の教育課程により、本県の復興を担う人材育成を図る。
 新設校は総合学科で、サテライトで授業を続ける郡内の県立高5校の特徴を継承する。大学進学を目指す「アカデミック」、サッカー、バドミントン、ゴルフ、野球、レスリングのトップアスリートを育成する「トップアスリート」、職業人育成の「スペシャリスト」の3系列を設定。世界で活躍する人材を育てるため文科省の「スーパーグローバルハイスクール」指定を目指す。生徒は寮生活を送りながら学習に臨む。
 ふたばの教育復興応援団には、宇宙飛行士の山崎直子さんや政治家の小泉進次郎さん、俳優の西田敏行さん(郡山市出身)ら各分野の第一線で活躍する17人が名を連ねる。
 当面は広野中を仮校舎とし、2019(平成31)年度の完成を目指して本校舎を建設する方針。県立中の併設も検討を進める。

 “同じ志”持って 大熊中3年の7人が意気込み 
 「同じ志を持つ双葉郡の同級生との高校生活が待ち遠しい。将来は古里の復興を担いたい」。ふたば未来学園高の1期生として入学する大熊町の大熊中3年の生徒7人は、明るい笑顔を見せながら意気込みを語る。
 大熊中は町役場機能がある会津若松市で2011(平成23)年に再開、13年から市内の仮設校舎に移った。同高に進む生徒のうち、同市に避難している森山菜々さん(15)の将来の夢は、海外で活躍する日本語教師。「福島の現状、復興の状況を発信し、町再生の一助になりたい」と抱負を語る。
 町の海外派遣事業「おおくま希望の翼」の団員として、13年にオーストラリア・バサースト市を訪問して国際交流に目覚め、その後も単身でホスト家族を再訪するなど交流を続ける。
 海外の同世代の友人と話すうち、福島で原発事故が起きたことは知っているが、福島の安全性、避難者の暮らしなどは全く知られていないと分かった。「海外では『福島は危険』という認識だけが先走っている。復興には情報発信が大切だと感じた」と振り返る。
 同高入学後は英語の学習に力を注ぎ、仲間を募って「英語部」を設立させる構想も立てる。「福島復興には、私たちの世代が動かなければならない。充実した高校生活を送りたい」と目を輝かせる。

 「地元の友達とまた一緒」 
 「地元の友達とまた一緒に学校に通えるのがうれしい」。ふたば未来学園高に合格が内定した楢葉町の梶原知博君(15)は、避難しているいわき市の仮設住宅で笑顔を見せた。
 小学5年の時に震災と原発事故が起き、家族と県内外を転々とした。いわき市の小学校に転入、そのまま市内の中学に進学。小学生のころから図工が好きで、将来は物作りに関わりたいと思っていた。震災と原発事故で、壊れた家や道路を見てその思いはますます強固に。ふたば未来学園高の開校を知り、すぐに受験を決めた。「技術者になって、復興の役に立ちたい」
 入学内定者の中には、県外に避難している子もいる。富岡町から避難している佐藤勇樹君(15)は茨城県鹿嶋市で家族と暮らす。「福島を離れ、地元の良さを再認識した。ずっと帰りたいと思っていた」。4月からは家族と離れ、高校の寮から通学する予定だ。
(2015年3月8日 福島民友ニュース)



 

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