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福島大環境放射能研究所所長・難波謙二さんに聞く

福島大環境放射能研究所所長・難波謙二さんに聞く

「水環境中の放射性物質は低下傾向が続いている」と話す難波所長

 東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質の環境中での動きを研究する福島大環境放射能研究所の難波謙二所長(50)に、海や河川の放射性物質の現在の状況や本県沖での本格的な漁業再開に向けた課題などについて聞いた。

 ―原発事故で海に放出された放射性物質の現状は。
 「太平洋に広がった放射性物質は、現在では非常に薄まっている。微量分析のレベルになるが、米国などへの移動状況や深海への拡散状況などを調べていて、徐々に把握できつつある。一方、本県近海では魚への影響が心配されているが、本年度に入ってからは1キロ当たり100ベクレルという食品の基準値を超える魚はまったく見つかっていないという状況で、もう近い将来、海の魚については出荷制限が解除される可能性が出てきている」

 ―河川はどうか。
 「海よりも川の方が放射性物質の問題は長引くと思う。海より塩分が低い環境にいる淡水魚は一般に、少ない塩分を体内に効率よく取り込み、保持する性質を持っている。塩分を取り込みやすいと放射性物質も取り込みやすい。川の放射性物質は海と同様で全体的には低下傾向だが、陸上の放射性物質の影響も無視できない。川の魚のうちイワナやヤマメは肉食で、水生昆虫や陸上から川に落下した昆虫を食べているが、森林の落ち葉を食べる昆虫を魚が食べることで放射性物質が移行している可能性もあると考えている」

 ―これからの本県の漁業について。
 「原発事故以降、試験操業のみという状態が長く続いているため、本県沖では魚が多い状態になっている。経済的な視点から考えて、計画的に魚を捕っていくという資源管理の考え方が今後の漁業には求められるだろう」

 なんば・けんじ 岡山県鏡野町出身。東大大学院農学研究科修士課程修了、博士(農学)学位取得。

(2015年9月10日 福島民友ニュース)



 

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