minyu-net

ホーム 県内ニュース スポーツ 連載 社説 イベント 観光 グルメ 健康・医療 購読申込  
  >>>  原発災害・「復興」の影TOP
原発災害・「復興」の影
身を守る
 
【 6 】
子ども・被災者支援“実感薄く” 策定が遅れた「基本方針」

子ども・被災者支援“実感薄く” 策定が遅れた「基本方針」

子ども・被災者支援法の基本方針はできたが、県内の母親らは実感を持てずにいる(写真と本文は関係ありません)

 「消費増税なんて、子ども・被災者支援法より後に決まったのに」。小学2年の長女(8)を持つ福島市の主婦佐藤真弓(38)は家計簿を見ながらため息をつく。

 消費税増税で不安
 原発事故後、なるべく放射線が少ないところで長女を遊ばせたいと、夏休みや冬休みは県外で過ごす。昨夏は岡山、三重両県などに32日間滞在した。現地での滞在費用は支援団体などが出してくれるが、移動費は自前でガソリン代もかさむ。消費税が3%上がれば燃料代がどれほど増えるのか不安だ。「一番外で遊びたい年頃。自然の中で思い切り遊ばせてあげたいのに」
 民主党政権下の2012(平成24)年6月に超党派の議員立法で成立した子ども・被災者支援法は、子どもの健康不安解消や健康被害防止に国が取り組むことを定めた。基本方針では中通り、浜通りを中心に支援対象地域が設定された。
 支援法をめぐっては昨年6月、同法を担当する復興庁の参事官が短文投稿サイト「ツイッター」で被災者を愚弄(ぐろう)するような発言をしていたことが発覚。多くの批判を浴びたが、その中に「白黒つけずに曖昧なままにしておくことに関係者が同意。こんな解決策もある」との発言があった。

 疑念を招いた「曖昧」
 これは同法の基本方針はしばらく決めない方がいいとの考えが同庁周辺にあったとも読み取れる内容だ。方針で対象区域を指定すれば、逆に指定から外れる地域が生じ、区域をどう線引きしても批判は避けられない。
 参院選を1カ月後に控えた中で、支援法の担当者が「曖昧なままにしておく」とほのめかしたのは、基本方針の策定で政権に対して何らかの配慮をしたのではないかという疑いを招いた。
 同庁統括官の岡本全勝(59)は昨年6月、参事官の処分に関する説明で「(曖昧なままというのは)国会質問が出た際に(関係省庁の)どちらが対応するか」についての発言だったとし、作為を否定した。基本方針は昨年10月に閣議決定した。
 同区域となった福島市に住む佐藤は、何かが良くなったという感じはしない。「借金だらけの国にとって消費税増税は待ったなしだろうが、放射線による子どもの健康不安だって待ったなしだ」(文中敬称略)

(2014年3月6日 福島民友ニュース)



( 2014年3月6日付・福島民友新聞掲載 )
 

福島民友新聞 購読ご案内

ご購読のお申込

会社案内
会社概要|▶支社・支局のご案内|▶窓の投稿
広告局のページ|▶福島民友愛の事業団
社内見学|▶移動編集局|▶民友メールアドレス

 民友携帯サイト
   みんゆう愛モード

右のコードを読み取り、表示されたURLでアクセスできます。

QRコード



福島民友新聞社
〒960-8648 福島県福島市柳町4の29

個人情報の取り扱いについてリンクの設定について著作権について

国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN