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原発災害・「復興」の影
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「データ管理システム」体制未完 一元化作業に課題山積

「データ管理システム」体制未完 一元化作業に課題山積

双葉町役場いわき事務所で行われているホールボディーカウンターによる内部被ばく検査。県や市町村などがそれぞれ実施しているのが現状だ

 「かなり大変になる」
 「下手をすれば『年金記録問題』の二の舞いだ」。県民の健康を長期に見守るため福島医大と県が構築を進める「データ管理システム」をめぐり、県内でホールボディーカウンター(WBC)検査に携わる担当者は、宙に浮いた年金記録が膨大に確認された2007(平成19)年発覚の問題になぞらえて不安を口にする。
 このシステムでは、市町村や民間の医療機関が実施する内部被ばく検査の結果などを県民健康管理調査の結果と統合、個人ごとに一元的に管理する。同姓同名の混同などを避けながらデータの統合を進めなければ、検査を受けたのに本人の記録として結び付かず、宙に浮くデータが生じる恐れがある。「かなり大変な作業になるだろう」。県民健康管理調査の基本調査を担当する福島医大教授の石川徹夫(47)は言う。
 外部被ばくや内部被ばくなどの検査結果を個人ごとに蓄積しなければ、将来、放射線による健康被害が疑われる事態となっても被ばく量との関係を調べることが難しい。原発事故から3年となる今、一元化作業が行われている背景には、これまでさまざまな組織が事故に伴う検査を担ってきたという事実がある。

 「県も医大も混乱…」
 「まず検査を始めることが大事だった」。ひらた中央病院(平田村)がWBCを導入したのは11年10月。院内にある震災復興支援放射能対策研究所の理事長佐川文彦(54)は当時を振り返りながら語る。「われわれも勝手に始めた部分はあるが、県も医大も混乱している時期だった」
 一方、検査主体が多く、仕組みが複雑化していることで起こった問題もある。昨年12月に発覚した、県民健康管理調査の血液検査の結果に誤りがあった問題は、医療機関で検査結果を手作業で書き写して同大などに提出していたことが原因だった。
 県民を長期的に見守る体制はいまだ完成していないとの指摘が上がる。2月に福島市で開かれた県民健康管理調査の検討委員会で、委員を務める双葉郡医師会の井坂晶(73)は言った。「体制の一元化、簡素化に向け仕組みを見直すべき。さもないと、ますます間違いが起きる」(文中敬称略)

(2014年3月7日 福島民友ニュース)



( 2014年3月7日付・福島民友新聞掲載 )
 

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