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活動が停滞の“市民団体” 「寄付金でもめ」事務所も閉鎖
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活動の岐路に差し掛かった市民団体の中には、金銭問題などで事務所を閉じるところもある
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福島市中心部の飲食店街に面した雑居ビル。その1階のシャッターは2月から閉じられたままだ。この場所を事務所に自主避難や被ばく防護の活動を展開していた市民団体「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」は、昨年後半から活動が停滞している。事務所も閉鎖した。背景にあるのは金銭問題だ。
原発事故を受け設立された同団体の2011(平成23)、12年度の活動資金は計約5000万円。同団体は監査報告などで同年度の会計に数十万円の不明金や二重支出、領収書のない支出が見つかったとした。同団体は会計透明化が図られるまで寄付の受け入れ停止を決定。昨年7月の臨時総会で発表した活動改善案に、政治や宗教、企業からの独立に加え、過激派とされる政治団体と無関係であることを明記したところに、事務所閉鎖に至った別の要因が見え隠れする。
「ゴロ」が入り流用か
「要は『市民団体ゴロ』のような人が入ってきていたと思う」。現代表世話人の一人、武本泰(55)=郡山市=はそう話す。「子ども福島ネットワークには多くの寄付が集まった。その資金を目当てに集まった市民活動ゴロが、お金を自らの団体の活動に流用したような形跡がある。事故当初の11年より、12年に不審な会計が多いようにも思う」
一方で、退会した前代表(56)は「事業が立て込んで会計処理が遅れ、自分の作った決算が受理してもらえなかった。(代表世話人らが公表した)監査報告には誤りが多い」と話す。
現在、第三者が同団体の会計状況を調査中だ。武本は「被ばく防護は息の長い活動。今はきちんと透明化を図りたい」とする。
今後の費用が課題に
事故を受けて活発化した市民活動は、寄付を資金にしているケースが多い。被ばく防護関係の団体のホームページをのぞくと、寄付金を受け付ける銀行口座が分かりやすい場所に配置されている。
郡山市を中心に子どもの健康診断の費用補助などを行っている市民団体「3a!郡山」は、13年度に約300万円あった収入が今後減少していくとみている。事務局の宗形由美子(46)は「海外への医療支援など、市民活動への寄付の行き先が増えている。放射能といっても、いつまでも寄付が続くとは考えていない。ただ会員は健康不安を抱える親子で、費用負担を求めるのも難しい面がある」と打ち明ける。(文中敬称略)
(2014年7月3日 福島民友ニュース)
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( 2014年7月3日付・福島民友新聞掲載 )
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