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「応援団」初の授業 平田オリザさんが熱こもる指導
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生徒らを前に講義する平田さん(右)=ふたば未来学園高
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双葉郡の教育復興の拠点として広野町に開校した県立中高一貫校「ふたば未来学園高」で15日、各界著名人らでつくる「ふたばの教育復興応援団」による特別授業が始まった。
初回の講師を務めたのは、応援団メンバーで日本を代表する劇作家・演出家の平田オリザさん。平田さんは生徒間の交流を深める簡単なゲームや演技指導などのワークショップを通して生徒と交流、コミュニケーションを図る際に、相手とイメージを共有することの大切さなどを生徒に伝えた。
同応援団は、同校生徒や双葉郡の子どもたちへの支援を目的に結成された。平田さんは、地域との結び付きなどを再確認する「ふるさと創造学」の一環として7月まで計29時間の授業に関わり、地域課題などをテーマに生徒が自ら考える演劇の制作に取り組む。
復興題材に演劇制作へ
県立中高一貫校「ふたば未来学園高」で15日に始まった「ふたばの教育復興応援団」による特別授業。講師を務める劇作家・演出家の平田オリザさんの指導を受けて生徒は今後、地域の取材なども行い、復興や住民の思いなどを題材にした演劇制作に取り組む。
「同じ日本語を話していても考え方の基準はばらばら。相手がどんなつもりなのかを考えないと相手のことは分からない」。特別授業で平田さんは生徒、教職員約40人を前に語り掛けた。授業は、生徒が平田さん原作の高校演劇部を舞台にした映画を視聴した後、仲間とのコミュニケーション力を高めるゲームや演技指導などのワークショップを体験。体を動かしたり演劇の俳優役を務め、時折大きな笑い声が上がった。
授業は同校の学習分野の一つ「ふるさと創造学」の一環で行われた。「ふるさとを知る」をテーマに今後、生徒が地域の住民に聞き取り取材などを行い、平田さんの指導も受けながら演劇にまとめ、発表する。
平田さんの授業を終えた新妻留菜さん(15)は「すごく分かりやすく、めったに聞くことのできない演劇の内容も教えてもらえて勉強になった」と充実した様子。
平田さんは「(授業を通じ)コミュニケーションや表現力はもちろん、演劇をつくる過程の議論で合意形成能力も身に付く。この中から福島県や双葉郡のことを国内外に発信できる人材が育ってくれればありがたい」と語った。
今後は山崎直子さんら
平田さんの授業は7月まで継続的に行われる予定で、同校では今後も応援団メンバーによる特別授業が行われる。8月に宇宙飛行士山崎直子さんの講演が予定されているほか、9月以降は「地域とスポーツ」や「地域と祭り」などの五つのコースで応援団メンバーが指導に関わる授業も計画されている。
(2015年4月16日 福島民友ニュース)
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