第４５回衆院選で、激戦の県内小選挙区を制した５人と、比例東北で当選した２人は３１日、喜びの朝を迎えた。小選挙区全勝で「政権交代」の一翼を担った民主の５人と比例１人は、有権者の期待をあらためて実感しながら、政治改革本番への誓いを新たに動きだした。一方、復活当選で自民の１議席を確保した前職は党再建を誓った。敗れた候補たちも次の「政権選択」の機会に向けて、あいさつ回りに走りだした。

　【１区・石原洋三郎さん】１区初の民主議席を獲得した石原洋三郎さん（３６）＝民主＝は、初当選の余韻に浸る間もなく早朝から福島市のＪＲ福島駅前通りでつじ立ちをし、拡声器で「決意新たに国政に向け頑張っていく」と声を張り上げた。
　石原さんは「出馬表明のころは政治を『変えたい』という気持ちだったが、『変えなければならない』という気持ちに変わった」と早くも責任感を示した。

　【２区・太田和美さん】国替え選挙を制した太田和美さん（３０）＝民主＝は、郡山市桜木の事務所で「民主圧勝」の見出しが躍る新聞に目を通し、喜びをかみしめた。
　緊張であまり眠れなかったというが、得票数を見て「すごい。１３１３（かずみ・かずみ）ですね」と、にっこり。しかしすぐ「公約を着実に実行し、生活者の視点で皆さんの思いをかみしめながら活動したい」と表情を引き締めた。

　【３区・玄葉光一郎さん】圧勝で６回目の当選を飾った玄葉光一郎さん（４５）＝民主＝は、田村市の自宅で朝を迎えた。政権交代の喜びもつかの間、早くもＪＲ郡山駅から午前の新幹線で上京、各派協議会の開催など新政権発足に向け準備に追われた。
　「悲願の政権交代を達成できた満足感はあるが、お祝いは昨夜で終わり。厳しい挑戦が新たに始まる」と表情を引き締め、改革への意気込みを新たにした。

　【４区・渡部恒三さん】長年にわたる政治哲学としてきた二大政党による政権交代を実現させた渡部恒三さん（７７）＝民主＝は、会津若松市城東町の自宅で朝を迎え「きょうまで頑張ってきて良かったという思いでいっぱい」と、喜びをかみしめた。
　「民主圧勝」を報じる新聞に見入り「夕べはうれしかったが、きょうからは責任の重さを感じる。国民の期待に応えなければ」と、表情を引き締めた。

　【５区・吉田泉さん】小選挙区で悲願の初勝利を収めた吉田泉さん（６０）＝民主＝は、いわき市の自宅で喜びの朝を迎えた。「これほど差が開くとは」と振り返りながら、妻律子さん（５８）と勝利を伝える新聞に目を通した。
　激戦の疲れを少し残した様子だが、「初めての小選挙区勝利に達成感がある。感謝の気持ちでいっぱい。スケジュールを立ててマニフェストを実行していく」と決意を語った。

　【比例・吉野正芳さん】比例東北で４選を果たした吉野正芳さん（６１）＝自民＝は、いわき市植田町の自宅で朝を迎えた。
　３区の須賀川市の事務所から白河市を回り、午前０時３０分すぎに帰宅。一夜明け、自民党の惨敗を伝える朝刊に目を通すと、厳しい表情を見せながら「政策的には間違っていない。今回の結果を時間をかけて総括し、解党的出直しで皆さんの信頼を回復していきたい」と力強く語った。

　【比例・山口和之さん】比例東北で初当選を果たした山口和之さん（５３）＝民主＝は、勤務先の総合南東北病院に普段より早く出勤。選挙期間中に亡くなった父二郎さんや関係者への感謝の思いから「感極まってしまった」と、朝礼では渡辺一夫理事長らを前に目に涙をためながら、国政での活躍を誓った。
　リハビリ治療を指揮する理学療法士としての立場から医療福祉充実を目指し、民主党の求めに応じ立候補、民主大躍進で一夜にして国政への扉が開いた。
　「まだ実感がわかない」。今後の議員活動や病院での仕事について関係者と急ぎ、話し合いを進める一方、「期待に応えたい」と目を輝かせた。
（２００９年９月１日　福島民友衆院選ニュース）