「県政発展のため、民主党議員として努力し、衆院選で得た県民の支持に応えていこう」。1日、県庁で開かれた民主党県議団会議で団長の渡部譲のあいさつに拍手が沸き上がった。県議団所属の県議は党所属の11人と民主系無所属1人の12人。会議に出席した県議それぞれの表情に衆院選勝利の自負が見え隠れした。
県連は、衆院選の目標として5選挙区での勝利と比例得票50万票以上を掲げた。連合福島との連携に加え参院福島選挙区の増子輝彦、金子恵美両参院議員、各県議の後援会を総動員し、小選挙区全員当選、比例得票で過去最多の約53万票の獲得を成し遂げた。
「政権交代の風」が民主への追い風となった今回の衆院選。県連代表の玄葉光一郎は、投開票日の30日に県連事務所で開いた記者会見で選挙戦を振り返り、「(県連)組織の底力はまだまだ足りない。逆風の選挙戦では吹き飛んでしまう」
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県内全勝の結果を振り返り「国政とのパイプ役」との自覚を強めた県議団会議=福島市、県庁 |
と冷静に分析。候補者や支援する地方議員の後援会とは別に、党を支える地方組織の整備の必要性を挙げた。衆院で圧倒的な議席を獲得したが、県内では自民党のように市町村単位まで支部設置が進んでいない。玄葉は、党組織の脆弱(ぜいじゃく)さを課題に挙げた。
政権交代の風に乗った有権者の心理にも、今後の政権運営への課題が隠されている。ある県議は「選挙期間中に地元業者から『政権をとっても公共事業を減らさないでくれ』と頼まれた。『無駄な事業は無くしても生活密着の事業は無くさない』と切り返したが、理解を求めるのはなかなか難しい」と、マニフェストにある政策と、地元の本音との間にある「ねじれ」の存在を指摘する。
民主は衆院選を通し、政治と利権との「しがらみ」を断ち切る考えを訴えてきた。新政権の政策や理念が実際に地方へどのような影響を及ぼすのか、これまで自公政権を支持してきた各種団体は、民主との間合いの取り方に悩む。渡部は「各団体からはしばらく、いろいろな意見が出るだろう」と予想、県連が地方の声を中央に伝える「パイプ役」を果たす考えを示す。
県議会は依然、自民が第1党のままだ。県予算の編成などで自民が「ねじれ」を指摘し、対決姿勢を鮮明にすることも予想され、県連幹事長の中村秀樹は「勝利にうかれている暇はない」と表情を引き締める。
(文中敬称略)
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