政権選択をかけた自民、民主両党の激戦に注目が集まった今回の衆院選。公明、共産、社民各党への支持は伸び悩み、県内でも二大政党化の流れが加速した。2日、衆院比例代表の県内得票を確定するため県庁で開かれた県選挙分会では、各党関係者がそれぞれの得票数を確認しながら、民主圧勝で終わった今回の衆院選の結果をあらためてかみしめた。
自民とともに連立政権を組んできた公明。県本部は1日、三役会を開き、5日の総会で選挙戦を総括することを決めた。代表の甚野源次郎は「手応えはあったが…」と首をかしげる。県内比例得票15万票を目標に自民との共闘作戦を展開したが、結果は目標を大きく下回る11万2000票余りにとどまった。「与党への批判が想像以上だった」と甚野。来夏には、参院選を控える。甚野は「野党になっても、マニフェスト(政権公約)実現に頑張る」と、捲土(けんど)重来を期す。
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本県の政党別比例得票を確定した2日の県選挙分会。各党関係者があらためて「政権交代」に導く今回の選挙結果を確認した=福島市、県庁 |
比例東北1議席死守を目指した共産は雇用問題を強く訴え、都市部を中心に11市町村で得票数、得票率とも伸ばしたが、県全体の得票率は前回から0.39ポイント低下した。県委員長の最上清治は「激流の中で善戦健闘した」と総括。来年の参院選に向け「建設的野党」の立場を強調、青年を中心に党員を増員させるなど党勢拡大に力を入れる。
社民は、脱原発や改憲阻止などの政策を訴え、比例での県内7万2000票の獲得に向け、党員を中心に地道に支持拡大を図った。前回得票を約2千票上回る6万票余りを獲得したが、目標には届かず、県連幹事長の加藤雅美は「民主躍進の壁に阻まれた」と選挙戦を振り返る。
社民は2日の全国代表者会議で民主との連立協議の開始を了承した。野党から一転、政権与党の一員へと変わろうとしているが、加藤は県議会で民主、民主系無所属県議と組む会派活動を通し県政界で存在感を強めたい考えだ。
既存の主要政党が支持拡大に苦しむ中で、結党間もないみんなの党は、県内の比例票で共産、社民を上回る7万票を獲得した。支持政党がない無党派層の票を取り込んだとみられ、県本部代表の小熊慎司は「脱官僚や地域主権の実現、国政の第三極形成を求める声は確実にある」と指摘。新しい力を求める県内有権者の存在を確信する。
(文中敬称略)
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