自民はコスタリカ方式の廃止方針で衆院議員を5期務めた法務副大臣の佐藤剛男氏が引退、亀岡偉民氏が2期目を狙う。民主にとっては県内唯一、新人を擁立する選挙区で元福島市議の石原洋三郎氏が挑む。共産は小選挙区候補者をこの1区のみに絞り党への支持拡大を図る。前職と新人3人との激戦は必至の情勢だ。
「地方の声を届けるのが国会議員の役目。政党のためにいるのではない」。自民の亀岡氏は25日、福島市で開いた女性支持者の集会でこう主張、今回の衆院選を「党ではなく人を選択する選挙」と位置付け、支持拡大を要請した。
亀岡氏は無所属を含めて今回で通算6度目の出馬となり、草の根運動で後援会を増やしながら支持基盤をつくり上げてきた。後援会は前回選挙よりもさらに拡充、町内会単位に170を超え、「自民よりも亀岡」の浸透に自信をみせる。
陣営は、党県連の元幹事長で選対本部長を務める加藤貞夫氏ら自民県議が中心となり、党組織をまとめるほか、公明との共闘態勢を強めて亀岡氏の活動を補強する。
引退した佐藤氏の支持層にも協力を働き掛け、陣営は「佐藤票の約半分は取り込んだ」と自信を持つ。今後はミニ集会で伊達地方での活動を強化する。
民主の石原氏は解散当日の21日、党代表の鳩山由紀夫氏から公認証書を受け「挑戦者の立場で40日間、政権交代を訴えていく」と決意を新たにした。後援会幹部は「今回は民主に投票するとの声を聞くが、『石原』と書いてもらうにはまだ浸透が足りない」と、党への追い風を感じながらも、知名度の向上を課題に挙げる。
石原氏は2007(平成19)年10月の正式表明から続けてきた街頭演説と支持者へのあいさつ回りが日課になった。
衆参両院で議員を経験した父の代から続く後援会を再構築、伊達市と相馬市に連絡所を設置した。後援会の組織固めを進める一方、連合福島などの友好団体や社民党、国民新党との協力態勢の確立にも努め、今後も有権者に政権交代の意義を訴える。
後援会幹部は「石原の実直な姿に有権者の反応が変わってきた」とみている。
共産の山田裕氏は前回に続いて立候補する。街頭演説やミニ集会を積極的に行い地盤固めを進めると同時に、比例東北の党公認候補と連動して得票アップを目指す。陣営は、有権者の反応について「政権交代が現実味を帯びている」(後援会幹部)と分析、第三の選択肢としての党の存在をアピールしている。
諸派の幸福実現党は、党県本部代表の大橋一之氏が立候補する。地元福島市を中心に街頭演説やあいさつ回りなどを積極的に行い、支持獲得に奔走している。
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