現職・古張氏、組織力で振り切る 矢祭町長選戦いの跡
28年ぶりの選挙選となった矢祭町長選は、現職の古張允氏が組織力で支持を固め、新人で前町議の鈴木正美氏を接戦で振り切った。
古張氏は1月12日に記者会見で立候補を表明後、同21日に後援会を結成。告示までの約3カ月間、婦人部、青年部に加え、21行政区に後援会支部を設け、早々と組織を固めた。
告示後は、遊説を軸に名前の浸透を図り、精力的に街頭演説もこなした。町議や商工会関係者が応援演説したほか、各支部の後援会もフル回転して「町政の継続」を強調。組織力の強さを印象付けながら、大票田・東舘地区の浮動票の取り込みにも力を注いだ。
ニュータウン住民の応援を受けた鈴木氏は、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)への接続など町政の改革を訴えた。若さを生かし、終盤、主婦層を中心に支持を伸ばしたがあと一歩及ばなかった。
自立の道を歩む矢祭町にとって、町民との協働の町づくりは不可欠。震災の影響から将来を不安視する声も聞こえ、古張氏の2期目の船出は必ずしも視界が良いとは言えない。接戦の意味を受け止めることが必要で、町政運営に生かす責務もある。
(2011年4月26日 福島民友ニュース)
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