2回目の冬、避難者の選択 候補者訴えに耳澄ます
「復興に向け具体的な政策を示して」。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故により県内外で避難生活を余儀なくされている県民16万人の中には、今回の衆院選で「福島の復興がないがしろにされているのでは」と心配する人がいる。そうした不安を抱えながら、自分たちのための施策を講じてくれる人を見いだそうと、避難者は16日の投開票に向け候補者の訴えに耳を澄ませている。
冬を迎え、安達太良山から冷たい風が吹き下ろす本宮市内にある石神第1応急仮設住宅。同仮設に住む浪江町の青山和子さん(63)は「仮設に来て2回目の冬。雪も降るので、長靴もヤッケも買った。地元じゃいらないのにね」とつぶやく。
同仮設の住民の多くは、昨年9月から同所で暮らし始めて1年3カ月になる。浪江町民同士だったが、地区がばらばらで最初は知らない人ばかりだった。
しかし、今では住民同士が集会所に集まり、だんらんするなど交流も生まれ、助け合いながら暮らしている。
冬を迎え住民が心配するのは、水道の凍結。大友英男さん(69)は「昨年も凍って水が出なくなり、みんな大変だった。県などに対策を取ってもらったが不十分。最近雪が降ったときも凍った」と話す。
(2012年12月14日 福島民友衆院選ニュース)
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