再建への道“不透明”
野党勢力の結集に課題
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【 中 】
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「公示前と同じ2議席にとどまり、県連代表が議席を失う残念な結果。党への信頼を取り戻せていない」。福島市の民主党県連事務所で15日に開いた衆院選の選対本部会議。幹事長の亀岡義尚(51)はかれた声で選挙戦を総括した。
各選挙区で実務を仕切った県議は「前回のような逆風は感じない」と口をそろえる。ただ、短期決戦で自民との対立軸を明確化できず、組織的な支持拡大にも出遅れ、5区で県連代表の吉田泉(65)が落選する非常事態に追い込まれた。
「浮動票を取り込めず、地方組織の力の差を埋められなかった」と地元の選対幹部は敗因を挙げた。選対委員長の瓜生信一郎(65)は「政権選択の機会を示せなかった」と政権への批判層の受け皿になり切れなかった実態を認める。
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選対本部会議で衆院選を総括する瓜生選対委員長(中央)=15日、福島市・民主党県連 |
全国で野党勢力の結集が課題となる中、県連が光明を見いだしたのは1区の戦い。元参院議員で知名度の高い金子恵美(49)を擁立し、党本部も重点区に設定。元外相で党幹部の玄葉光一郎(50)も動き、離党した元職石原洋三郎(41)との選挙協力を決め自民前職に肉薄、比例復活での国政復帰をかなえた。亀岡は「非自民勢力の結集が実現した」と猛追の原動力と評価しつつも「今後の対応は白紙」と慎重な姿勢を示した。
2回連続で候補者擁立を断念した4区はより情勢が複雑だ。支持母体の連合福島が表立った動きを控える中、引退した元衆院副議長の渡部恒三(82)の支援を受け、維新の小熊慎司(46)が選挙区で勝利したためだ。
瓜生は「政界再編があれば新しい戦いの形もある」と持論を話す。ただ、民主では連合を批判する維新にアレルギーが強く小熊支援を見送った経緯があり、党勢回復には独自候補問題の決着が先送りできない課題となる。亀岡は「復興を形にすることが党への信頼回復につながる」と繰り返す。自主再建か、野党再編か。立て直しへの道筋は五里霧中のままだ。(敬称略)
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