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地域重視の政策競う
各候補、独自公約示す
雇用不安や医師不足、過疎化の進行などの問題に直面する県内。その中で会津入りする各候補は、景気・雇用対策や医師確保策など、地域の現状を踏まえた独自の公約を示し、有権者への浸透を図ろうとしている。
民主党の現職増子輝彦は公示日の24日に会津入り。会津若松市の神明通り商店街で会津地方での第一声を上げた。富士通の事業再編や中合会津店の閉店など厳しい雇用情勢に直面する有権者に対し経済産業副大臣の実績を強調、景気・雇用対策などを訴えた。
同市宝町の事務所には、民主の重鎮で地元選出の衆院議員渡部恒三と増子が並ぶポスターが張られていた。増子は「恒三後援会」の全面支援を受けた選挙戦を展開している。
事務所で陣頭指揮を執る選対関係者はポスターを見つめながら「票の上滑りが不安材料」とつぶやくが、労組関係者や郵便局関係者も頻繁に事務所に出入りするなど、組織力を生かした票固めを進める。
自民党の現職岩城光英は26日、会津北部の中山間地域を中心に遊説した。岩城は公約で農林水産業など地場産業の支援強化を訴える。選対本部長の遠藤忠一は「(人口の半数以上が65歳以上の)限界集落などの問題を抱える山村部で、あえて公約を訴えた」と話す。沿道では農家の女性が手を振り、遊説隊を励ました。遠藤は「候補者の会津入りで気勢は上がった。有権者の反応は予想以上」と手応えをつかむ。
岩城の陣営は県議、市町村議の後援会に支援団体を加えた“総力戦”で臨む。ある県議は「岩城の過去2回の選挙は、会津が地元でいまは知事の佐藤雄平が相手で苦戦したが、今回は違う」と民主の「牙城」の切り崩しに自信を見せる。
新人3候補も票の掘り起こしに躍起だ。
民主新人の岡部光規は医師の立場から、産婦人科や小児科の充実を公約に掲げた。総合選対4区本部長の石橋史敏は「医療政策を有権者に訴え、若年層を中心に無党派層を獲得したい」と話す。党県連常任幹事や同市議らが選対を支える。
「ストップ役人・議員天国」。みんなの党新人の菅本和雅は生活重視の視点から消費増税に反対、公務員制度改革や国会議員の定数削減をアピールする。会津若松市が地盤の比例代表候補小熊慎司とのセット戦術で支持拡大を狙う。
会津の市町村は高齢化率が高く、共産党新人の岩渕友は「年金受給者の生活危機」と消費増税反対を訴え、浸透を図る。岩渕は喜多方市出身で、党会津地区委員長の宮沢弘は「会津で育った唯一の地元候補」とアピールする。
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