|
【 下 】
|
地の利、人脈でしのぎ
支持固めに全力投球
県内で最も有権者数が多い大票田いわき市を抱える浜通り。地元の堅い地盤を持つ陣営や、組織的なつながりが強い候補。選挙戦は29日、中盤戦に入り、各候補の事務所では支援者が活発に出入りを続ける。各候補とも地の利と人脈をフル稼働させ、浜通り全域での支持獲得を描く。
自民現職の岩城光英は、いわき市での第一声となった公示当日の24日の街頭演説会で、支持者が会場を埋め、地元候補としての強さを印象づけた。ただ、選対関係者は「民主は候補2人。岩城の当選は確実という油断が一番怖い」と慎重な姿勢を崩さない。
陣営は、後援会を中心に県議や市議で選対を組む。自民系市議らが市内の企業、団体を訪ね自民支持層の支持固めに走る。自民が分裂した昨夏の市長選のしこりを懸念する声もあるが、選対幹部は「市長選を戦った市議同士が支持固めに動いている」と打ち消した。30日に県議会が閉会すれば県議も本格的に支持拡大に動く。陣営はさらに党組織を結集、浜通り全域での支持獲得に打って出る。
一方、民主現職の増子輝彦は26日、“敵地”のJRいわき駅前で街頭演説し「圧倒的な支持で当選させてほしい」と声を強めた。
同市での戦いは、国会議員や県議、市議を含めた民主支持者や友好団体の連合福島が中心。しかし「政権与党の経済産業副大臣として浜通りに浸透している」と、5区選対本部事務局長の佐久間均。エネルギー政策、中小企業支援の担当副大臣としての知名度を武器に、電力関係労組の強力な支援や、中小企業などの推薦を得て同市だけでない支援態勢が出来上がった。
党県第5区総支部代表の吉田泉は「増子は現職の貫禄で横綱相撲ができる。自民票を奪い、いわきでもトップに」と攻勢を強め、自民票の切り崩しを図る。
民主新人の岡部光規は、いわき市の勤務医時代のつながり、同市出身の妻の血縁を頼りに支持拡大を図る。同市は地域医療に関心を持つ有権者が多く、街頭演説では医師の立場から地域医療の充実の政策を訴え、知名度を上げる作戦。
双葉町出身のみんなの党新人の菅本和雅は、浪江町の後援会事務所と、いわき市に県内唯一の党支部を置き、浜通りでの浸透を図っている。「民主、自民の批判票を取り込みたい」と選対関係者。有権者の第3極への期待票を狙う。
共産新人の岩渕友は、市議、県議の地方議員ネットワークを生かし、いわき市内で徹底した遊説を展開、消費税増税反対の政策浸透を強調する。7月2日には党幹部を招いて街頭演説を行い、支持開拓に力を入れる。
|