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【 4 】
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支持政党選びに苦慮
「候補者本位」へシフト
「政権党は民主党だが、県議会最大会派の自民党には長年政策を理解してもらってきた」。昨年の政権交代で、中央では自民党と親密な関係を続けてきた業界の政治団体の支持状況が変化。自民党支援を見直し、民主党を支援、また自主投票などの政治的中立を選択する動きが顕著になり、影響が県内にも及ぶが、県内団体は政党を明確に打ち出せない苦悩を抱えている。
県内団体には政権交代後、「政党」ではなく「候補者」本位の支援を表明する団体が目立ち始めた。県農業者政治連盟は、全国農政連同様に比例代表を初の自主投票としたが、選挙区は民主、自民両党の現職計2人を推薦。県歯科医師連盟は「国民の健康を守る与党を応援する」との考えで、比例は民主党を支援するが、選挙区では現職推薦を打ち出している。ある幹部は「民主政権は診療報酬見直しなどを行い評価できる。ただ県内で自民党議員は無視できない」と、中央との「ねじれ」に苦慮する。
全国旅館政治連盟県支部は政策重視を強調する。同支部は、これまでの自民支持の姿勢を薄め自主投票とし、観光産業振興策を提案した上で、理解者を支援する方針。民主党は政権発足後、観光振興議員連盟を結成し観光振興にも取り組む姿勢を示しており、自民党との信頼関係と、政権与党との関係を考慮した。
一方、政権交代後も自民支持の姿勢を貫いている団体もある。日本医師連盟は、民主に近い新会長の就任で自民系候補から一転、民主系候補を推薦するとしたが、県医師連盟は「医療政策を熟知した人を支持し、これまでも戦ってきた。政権が代わるたびにぶれてはいけない」と日本連盟の決定に従わなかった。県遺族会も、民主支持の意見もある中で比例、選挙区とも自民支持を組織決定したが、野党という立場は考慮し遺族の代表として応援する方針としている。
また、県たばこ耕作者政治連盟はたばこ税の増税に反発を強め、これまで通り自民党と反民主勢力を支援することを決めた。「参院でねじれを生み出し、早期解散に追い込みたい」との意志を固めており、間近に迫った参院選を政権奪回の足掛かりにする構え。
第3勢力を目指す政党の候補者は、大規模な組織支援がなく「地道に政策を訴えることで、無党派層を含め支持を広げたい」と、後援会などを中心にした地道な活動を展開している。
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