原発事故避難者の不在者投票が増加傾向
第23回参院選は9日、期日前投票が始まって5日間がたち、前回を上回る多くの有権者が投票を済ませている。期日前投票同様に投票日前に投票ができる不在者投票も、東京電力福島第1原発事故による避難で増える傾向があり、避難市町村選管は確実な受け付け実施に向け、対応する職員数や記載台を増やすなどの取り組みを進めている。
双葉町は原発事故前の10人程度から、事故後の昨年の衆院選では70倍を超える742人に投票者数が跳ね上がった。参院選は、埼玉県加須市からいわき市に役場機能を再移転して初の選挙。町選管はいわき市に避難する有権者が多いことを踏まえ、不在者投票数を620人程度に見込み、投票用紙請求書などを有権者に事前に発送している。発送作業は、加須市に役場機能があった際には、加須市から職員派遣を受けてきたが、参院選は応援を見込めないという。仮設住宅の巡回投票などもあり、全職員が選挙の業務に当たる。
南相馬市では、同市から避難した有権者の不在者投票が昨年の衆院選で30倍を超える2539人となった。不在者投票は震災前、利用者が少なく選管職員だけで対応できたが、今回は他部局から職員を借り延べ215人で対応する。
ほかの市町村選管も不在者投票者数の大幅増を見込む。富岡町選管は震災前の約11倍の約1100人、大熊町選管は約8倍の800人程度とみる。楢葉町でも衆院選で5倍に増えたが、参院選は県外避難者がいわき市に戻りつつあり、衆院選とほぼ同じか若干少なくなるとみる。
浪江町でも衆院選などで約3〜5倍に増えている。町選管は期日前投票を5市6カ所で行っているが、それ以外の地域の避難者にとって不在者投票が唯一の手段になり、増加しているとみている。
(2013年7月10日 福島民友参院選ニュース)
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