伊沢氏“盤石の組織”実績、知名度で勝る 双葉町長選
中間貯蔵施設、仮の町構想、警戒区域の再編など、町の復興を大きく左右する課題を争点に、新人4人が全町避難で10日間に延長された舌戦を展開。町から避難する町議経験者2人が町外からの2候補を迎え撃つ構図による戦いは、町議会副議長を務めた実績と知名度で他候補に勝る、前町議の伊沢史朗氏が支援組織を盤石に固め、圧勝で初当選した。
原発事故で役場機能を県外に移した前町長の井戸川克隆氏と、県内に戻す意見が支配的だった議会との対立は昨年12月、中間貯蔵施設の議論への前町長の取り組み姿勢をめぐって頂点に達した。町議会による前町長の不信任案可決から井戸川氏の辞職、同氏が解散させたことによる町議選、今回の町長選と約3カ月間、町政は混乱、空転した。
今回の投票率は前回77.55%を下回る56.59%。町の復興を託すリーダーを決める選挙としては低調だったと言わざるを得ない。2年間の避難生活と町政混乱、重要な時期での度重なる選挙戦と続き、町民の町政への不満、不信はピークを迎えている。
新町長の伊沢氏は今後、重大な判断が迫られる局面が度重なる。国や県、双葉郡他町村との信頼関係の再構築は言うまでもないが、まずは足元から。自身の判断が町民に納得してもらえるよう、町民の町政への信頼を取り戻すことが急がれる。
(2013年3月11日 福島民友・県内選挙ニュース)
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