支持者らと握手を交わしガッツポーズで当選を喜ぶ新野さん＝２４日午後８時２５分ごろ、二本松市金色久保

　震災と原発事故からの復興の遅れに、有権者の怒りは止まらなかった。２４日投開票が行われた二本松市長選と広野町長選は、いずれも「告示」間近まで現職有利がささやかれてきた中で「転換」をうたった新人が勝利、有権者が復興政策の現状に「ノー」を突きつけた。震災から３年目になって相次いだ現職首長敗退のうねりは、「被災者の声を聞け」との警鐘をあらためて鳴らした。
　午後８時２０分ごろ、新野洋さん（６２）の当選確実の報が伝えられると、二本松市金色久保の事務所では「オー」と割れんばかりの歓声が巻き起こった。事務所内は、新野さんの到着前から支持者の歓喜の輪が広がった。その後、事務所に新野さんが姿を見せ、支持者らは万歳で出迎えた。新野さんは満面の笑みを浮かべながら支持者と握手を交わし、抱き合い、妻幸子さんらとともに万歳三唱。安斎文彦選対本部長が勝利宣言し、斎藤俊明後援会長が関係者の労をねぎらった。壇上に立った新野さんは感極まった表情を浮かべながら「本当に身が引き締まる思い。市役所を変え、市民の皆さんとともに手を組み、本当に素晴らしい二本松をつくっていきたい」と力強く抱負。「遊説で約束したことは必ず実行する。停滞した二本松を変えていきたい」と公約の実現を誓った。
（２０１３年１１月２５日　福島民友・県内選挙ニュース）