新人への期待感薄く 伊達市議選、現職安泰で選挙戦低調
27日投開票が行われた任期満了に伴う伊達市議選は、定数内の26位を含め新人3人の得票が法定得票数に満たず、欠員が生じる異例の事態となった。選挙戦は、同市に甚大な被害を及ぼした震災、原発事故後初めて行われながら、早くから現職安泰ムードが漂う低調さで、当初から欠員を危惧する声があった。
市議会は、昨年特別委員会を設置して定数見直しを協議したが、震災復興に向け多くの課題を抱えていることなどを理由に定数を維持した。しかし市議選では、勇退する現職に続く有力な後継者が現れず、知名度の低い新人が乱立。市民の関心は離れていった。選挙を統括した永井俊博市選管委員長は欠員が生じた事態を「欠員は仕方がない。残念だ」と話した。
投票率も前回から9.71ポイント大幅に低下して過去最低となった。市関係者は「低線量地の除染などを追及できる議員が少なく、市民は議員への期待感がなくなってきている」と指摘した。同市の自営業男性(46)は「欠員が出てもいいと思っていた。選挙を軽んじているような候補も見受けられた」と冷ややかに受け止める。今回の選挙結果は市議に対する市民の批判の表れともいえそうだ。
(2014年4月28日 福島民友・県内選挙ニュース)
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