自民、知事選候補の発表見送り 時期めぐり駆け引き激化
震災と原発事故後初めて行われる次期知事選で、自民党県連は28日、郡山市で開いた政治資金パーティーで当初予定していた独自候補の発表を見送った。対抗軸の民主党県連も現職の佐藤雄平氏(66)=2期=が進退を示さず、本格的な選挙態勢を構築できずにいる。
佐藤氏の去就を焦点に自民、民主が候補者の発表時期をめぐる駆け引きを水面下で激化させ、選挙の構図は依然として見えてこない。有権者からは「候補者を十分に見極める期間が短くなる」との声も漏れ、いら立ちさえ見えつつある。
自民はパーティーで候補者と政策を発表して勝利への結束を強める思惑があった。約千人(県連発表)がパーティーに集まったが、候補者が示されない事態に「自民候補には期待しているが、本当に擁立できるのか」との声も漏れた。
「候補者は複数いる」。岩城光英会長は報道陣に強調して見せたが、独自候補を絞り切れていない現状も浮かぶ。自民県連幹部からは発表の先送りに「選挙への士気に影響する」との懸念も出ている。
一方、民主は佐藤氏が出馬すれば、過去2回と同様に社民党県連と連合福島、無所属県議による4者で共闘する方針で一致する。ただ、民主県連幹部は佐藤氏の表明について「出馬すると言えば知事選に軸足を置くことになり、出馬しなければ重要課題に政治的な決断をできなくなる。いずれも今のタイミングでは復興に影響が出てくる」と読み、短期決戦も視野に入れて態勢構築を模索する。
(2014年6月29日 福島民友・県内選挙ニュース)
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