記者会見で不出馬を表明する佐藤知事。県民からは労をねぎらう声も聞こえた

　「次期知事選には出馬しない」。４日、今期限りでの退任を表明した佐藤雄平知事。県内の除染で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設の受け入れを表明するなど一定の道筋は付けたが、県民が思い描く復興は道半ば。企業立地や医療費無料化などを手掛けた東日本大震災後の３年半。地元の会津を中心に県民から労をねぎらう声が上がった一方、「最後まで県の再生を見届けてほしかった」と退任を惜しむ声も聞こえた。

　普段通りに業務、会見時刻の県庁職員
　新聞報道で佐藤雄平知事が４日にも進退を明らかにすると報じられていただけに、県庁職員は普段と変わらぬ姿を見せ、佐藤知事の記者会見が行われた同時刻も各課で粛々とデスクワークをこなした。
　ある県の男性幹部は「これまでの情勢や県庁の雰囲気から（佐藤知事の不出馬を）予感していた。大きな驚きはない」とし、「福島はまだ有事の中にある。誰が知事になるとしても復興を最優先に考えてほしい」と話した。別の男性職員は「出馬するとの報道もあったために驚いた」としながら「不出馬を受けて知事選をめぐる動きは加速するだろう」と冷静に受け止めた。
（２０１４年９月５日　福島民友・県内選挙ニュース）