若者に「訴え届かず」 知事選、学生ら“選挙に受け身?”
25日に選挙戦の最終日を迎える知事選。選挙の度に若年層の投票率低下が課題とされてきたが、今回もその傾向は変わらず、大学生ら若い世代の関心の低さが目立っている。半面、東日本大震災、東京電力福島第1原発事故からの復興で、本県の将来像がどうなるのか注目している学生は多く、「(候補者は)若者に目を向けてほしい」との声が上がる。選挙に受け身の若者、そして候補者の若者への情報発信不足が浮き彫りになっている。
知事選で福島民友新聞社と読売新聞社が共同で実施した世論調査によると、20代の6割弱が「あまり」と「全く」を合わせて「関心がない」と答えた。会津大4年の松本剛征さん(21)=会津若松市=は学生の選挙に対する関心の低さについて「よく『学生は誰が当選しても同じと思っている』と言われるが違う。『どの候補が当選すると、どうなるのか分からない』のが本音」と話す。
松本さんは学内新聞やインターネットなどで同大の情報発信に取り組んでいる報道部の前部長。学生の中でも特に知事選に対する関心は高い。松本さんは、候補者がフェイスブックやツイッターで情報を発信しているものの、学生がそこにたどり着いていない現状を指摘する。「候補者と学生が一度でもいいから接触し、ネットで情報発信していることを知れば、関心が出てくると思う」と提案した。
また、松本さんが知りたいのは復興に向けた各候補者の具体策。「県や住んでいる街が将来どうなるのか。ポジティブな考えを聞いてみたい」と期待を込めた。
いわき明星大3年の管野愛咲美さん(20)=いわき市=は21日に学内で行った知事選の投票啓発活動にボランティアで参加した。生まれも育ちも本県の管野さんは「知事が佐藤(雄平)さんから変わるんだな」という意識はあるものの、日常会話に知事選が話題に上がるほどではないという。ただ、今後の甲状腺検査の在り方など候補者がどのように訴えているか気になる。「学生には声が届いていない。候補者も学生には目が向いていないから、学生も関心が低いと思う」
福島大4年で、岩手県出身の亀ケ沢雄太さん(21)=福島市=は新聞社でアルバイト経験があることなどから、知事選に関心を持っている。しかし、周囲では本県出身の友人でも候補者が何人いるのか知らない人もいるという。「住んでいる県の知事選に興味がないのは、まずい」と苦言を呈した。
(2014年10月25日 福島民友・県内選挙ニュース)
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