慢性リンパ性白血病に対する併用レジメンとして、ベネトクラクスの承認勧告を欧州医薬品委員会より受領

 

2020年2月14日

アッヴィ合同会社

アッヴィ、未治療の慢性リンパ性白血病に対する化学療法を含まない併用レジメンとして、ベネトクラクスの承認勧告を欧州医薬品委員会より受領

●欧州委員会(EC)により承認されれば、ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用レジメンは、未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)患者さんに対する初の化学療法を含まない固定治療期間の併用レジメンに
●ベネトクラクスについては、欧州医薬品委員会(CHMP)による3つ目の承認勧告、複数のCLL治療におけるベネトクラクスの更なる有益性を支持するもの
●本承認勧告は、第III相CLL14試験のデータ[1]に基づき、1年間にわたるベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法が、標準治療のオビヌツズマブ/クロラムブシル免疫化学療法レジメンと比較して、無増悪生存期間の延長と、微小残存病変陰性率の増加を示したことを評価

イリノイ州ノースシカゴ、2020年1月31日(米国時間)--グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業であるアッヴィ(NYSE:ABBV)は、欧州医薬品庁の医薬品委員会(CHMP)が、未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)患者さんに対するオビヌツズマブとの併用療法として、ベネトクラクスの承認勧告を採択したことを発表しました。本承認勧告は、製造販売承認に関する欧州委員会(EC)に向けた科学的推奨事項となり、ECが2020年の前半に最終判断を示すことが見込まれています。

アッヴィの最高医学責任者兼研究開発担当バイスプレジデントのネイル・ギャラガ-医学博士(M.D、Ph.D)は次のように述べています。「CLLの新たな適応に対してCHMPの承認勧告が得られたことは、患者さんにとって重要な前進であり、この発生頻度の高い血液がんの治療において、ベネトクラクスの有益性が高まっていることを裏付けています。ECの承認が得られれば、ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法は、未治療の慢性リンパ性白血病患者さんにとって1年の投与期間の化学療法を含まない初の治療選択肢となるでしょう」

今回のCHMPの承認勧告は、ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法の有効性および安全性をクロラムブシル/オビヌツズマブ併用療法と比較した第III相CLL14臨床試験の結果に基づいています。主要評価項目は、治験担当医師の評価に基づく無増悪生存期間(PFS、病勢進行または死亡のみられない期間)でした。解析が行われた時点で、治験担当医師の評価に基づき、ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法を受けた患者さんにおいて、オビヌツズマブ/クロラムブシル併用療法と比較して、優れたPFSを達成したことが示されました。有害事象(AE)は、ベネトクラクスとオビヌツズマブ各単剤の既知の安全性プロファイルと一致していました。グレードを問わない1件以上のAEがベネトクラクス併用群の94.3%で認められ、最も多く認められたグレード3/4のAEは、発熱性好中球減少症および感染症でした。腫瘍崩壊症候群(TLS)が、ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法群のうち3例の患者さんで報告されました(全例がオビヌツズマブの投与中に報告され、ベネトクラクスの投与前でした)1。CLL14試験の結果は、2019年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会にて発表され、New England Journal of Medicine誌に掲載されました。

CLL14試験の主導医師、ドイツのケルン大学病院内科部長兼ケルン・ボン総合腫瘍センター長、かつGerman CLL Study Group長のマイケル・ハレック医師は次のように述べています。「従来からCLL患者さんの初期治療として化学療法が用いられています。ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法が欧州で承認されれば、未治療の患者さんに、初めて一定投与期間の化学療法を含まない治療選択肢が提供されることになります。ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法の早期使用は、転帰を改善することが示されていることから、CLLに対する治療パラダイムを変化させ、患者さんの病勢進行を伴わない生存の延長を実現できる可能性があります」

ベネトクラクス/リツキシマブ併用療法は、2018年に再発または難治性(R/R)CLL患者さんの治療を適応として、ECより承認されました。ベネトクラクス単剤療法は、B細胞受容体シグナル伝達経路阻害剤が適していないか無効、また染色体17p欠失もしくはTP53変異が認められるR/R CLL成人患者さんの治療、および化学免疫療法とB細胞受容体シグナル伝達経路阻害剤がいずれも無効、また染色体17p欠失またはTP53変異が認められないCLL成人患者さんの治療を適応として、すでに欧州で承認されています。

ベネトクラクスは、アッヴィとロシュ社が開発を行っています。米国ではアッヴィとロシュグループの一員であるジェネンテック社が共同販売しており、米国以外ではアッヴィが販売しています。

慢性リンパ性白血病について
CLLは進行が遅い白血病(血液がん)で、主に血液中および骨髄中に非常に多くの未熟なリンパ球(白血球の一種)が認められます。CLLは、西半球において最も多い白血病で、新たに診断される白血病のうち約3分の1を占めています2,3。

CLL14試験について
多施設共同非盲検無作為化実薬対照第III相CLL14試験では、German CLL Study Groupとの綿密な共同の下、併存疾患があり(累積疾患評価尺度のスコアが6超またはクレアチニンクリアランス70 mL/min未満)、未治療のCLL患者さんを対象に、ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用レジメン(n=216)の有効性および安全性を、オビヌツズマブ/クロラムブシル併用レジメン(n=216)との比較により評価しました。ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法では、ベネトクラクスの12 サイクル固定治療期間の投与とオビヌツズマブの6サイクルの投与を併用し、1サイクルは28日としました。本試験では432例の患者さんが登録され、これらの患者さんはいずれも、International Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemiaの規準に従った、未治療の患者さんでした。主要評価項目は、治験担当医師の評価に基づくPFSとしました1。

重要な副次評価項目は、末梢血中および骨髄中の微小残存病変陰性、奏効率および完全奏効率でした1。

ベネトクラクス錠について
ベネトクラクスは、B細胞リンパ腫2(BCL-2)タンパク質に対し、選択的に結合および阻害するファーストインクラスの薬剤です。いくつかの血液がんおよびがん性腫瘍では、BCL-2が増加して、アポトーシスと呼ばれるがん細胞の自然死または自己破壊の過程を阻止します。ベネトクラクスは、BCL-2タンパク質を標的とし、がん細胞で失われたアポトーシスの過程を回復させる作用があります。

ベネトクラクスは、アッヴィとロシュ社が開発を行っています。米国ではアッヴィとロシュグループの一員であるジェネンテック社が共同販売しており、米国以外ではアッヴィが販売しています。これらの数社が共同でBCL-2研究に取り組んでおり、種々の血液がんおよび他のがんを対象に、複数の臨床試験においてベネトクラクスを評価しています。

ベネトクラクスは米国を含めて50を超える国で承認されています。アッヴィとロシュ社は、治療を必要とする、さらに多くの適格な患者さんにベネトクラクスを提供するため、世界中の規制当局と協力しています。

ベネトクラクスの欧州における適応症および重要な安全性情報4


適応症
ベネトクラクス/リツキシマブ併用療法は、1つ以上のレジメンによる治療歴がある成人のCLL患者さんの治療に用いられます。

ベネトクラクス単剤療法は、以下のいずれかに該当するCLL患者さんの治療に用いられます。
・B細胞受容体シグナル伝達経路阻害剤が適していないか無効、また染色体17p欠失もしくはTP53変異が認められる成人患者さん
・化学免疫療法とB細胞受容体シグナル伝達経路阻害剤がいずれも無効、また染色体17p欠失もしくはTP53変異が認められない成人患者さん

禁忌
有効成分またはいずれかの添加物に対する過敏症は禁忌となります。TLSのリスクが高まるため、投与開始時および用量漸増期間中の強力なCYP3A阻害剤との併用も禁忌となります。ベネトクラクスの効果が弱まる可能性があるため、セントジョーンズワート含有製品との併用も禁忌となります。

重要な基本的注意と使用上の注意
治療歴があり腫瘍量の多いCLL患者さんにおいて、ベネトクラクス投与によりTLSが認められ、致死的事象も含まれています。ベネトクラクス投与により、最初の5週間の用量漸増期間にTLSが発生するリスクがあります。迅速な管理を必要とするTLSと一致した電解質の変化が、早ければベネトクラクス初回投与後6~8時間、あるいは各増量時に認められることがあります。リスクの有無を評価し、TLSに対する適切な予防措置講じる必要があります。血液生化学検査値をモニタリングし、異常が認められた場合は迅速に管理する必要があります。全体的なリスクが増大した場合、それに応じてより集中的な対策(経静脈的水分補給、頻回のモニタリング、入院など)を取る必要があります。

好中球減少症(グレード3または4)が報告されているため、投与期間を通じて全血球数をモニタリングしてください。死亡に至った敗血症を含む重篤な感染症が報告されています。感染症の徴候が現れた場合には、抗菌剤などの支持療法を考慮してください。

投与期間中、または投与期間終了後はB細胞が回復するまで、生ワクチンは接種しないでください。

薬物相互作用
CYP3A阻害剤は、ベネトクラクスの血漿中濃度を上昇させる可能性があります。投与開始時および用量漸増期:TLSのリスクを増大させるため、強力なCYP3A阻害剤は禁忌とし、中程度のCYP3A阻害剤の投与も避けてください。中程度のCYP3A阻害剤を使用しなければならない場合、医師は製品情報概要を参照し、用量調節に関する推奨事項を確認してください。1日量が安定した時点:中程度または強力なCYP3A阻害剤を使用しなければならない場合、医師は製品情報概要を参照し、用量調節に関する推奨事項を確認してください。

CYP3A4誘導剤は、ベネトクラクスの血漿中濃度を低下させる可能性があります。

強力または中程度のCYP3A誘導剤との併用は避けてください。これらの薬剤は、ベネトクラクスの血漿中濃度を低下させる可能性があります。

胆汁酸捕捉剤とベネトクラクスの併用投与によりベネトクラクスの吸収が低下する可能性があるため、この併用投与は推奨されません。

副作用
リツキシマブとの併用療法の試験でベネトクラクスの投与を受けた患者さんにおいて、グレードを問わず最も多く発現した副作用(20%以上)は、好中球減少症、下痢および上気道感染でした。単剤療法の試験で最も多く発現した副作用は、好中球減少症/好中球数減少、下痢、悪心、貧血、疲労および上気道感染でした。

ベネトクラクス/リツキシマブ併用療法を受けた患者さんにおいて最も多く報告された重篤な副作用(2%以上)は、肺炎、発熱性好中球減少症およびTLSでした。単剤療法の試験で最も多く報告された重篤な副作用(2%以上)は、肺炎および発熱性好中球減少症でした。

MURANO試験でベネトクラクス/リツキシマブ併用療法を受けた患者さんのうち、副作用により投与を中止した患者さんは16%でした。ベネトクラクスの単剤療法の試験では、副作用により投与を中止した患者さんは11%でした。

MURANO試験でベネトクラクス/リツキシマブ併用療法を受けた患者さんのうち、副作用により減量が行われた患者さんは15%でした。単剤療法の試験でベネトクラクスの投与を受けた患者さんのうち、副作用により減量が行われた患者さんは14%でした。

特殊な集団
腎機能が低下している患者さん(CrCl 80 mL/min未満)では、TLSのリスクを軽減するために予防とモニタリングを強化する必要があります。重度の腎機能障害がある患者さん(CrCl 30 mL/min未満)、または透析中の患者さんの安全性は確立されていません。また、このような患者さんに推奨される用量も特定されていません。重度の腎機能障害がある患者さんには、有益性がリスクを上回る場合にのみ、ベネトクラクスを投与してください。TLSのリスクが増大するため、毒性の徴候がないか注意深くモニタリングしてください。

重度(Child-Pugh C)の肝機能障害がある患者さんでは、投与期間を通じて50%以上の減量が推奨されます。

ベネトクラクスを妊娠中の女性に投与すると、胚・胎児に害を及ぼすおそれがあります。妊娠可能な女性には、投与期間中に妊娠しないよう指導してください。また、授乳中の女性には、投与期間中は授乳を中止するよう指導してください。

上記は、すべての安全性情報を完全に要約したものではありません。ベネトクラクスの製品情報概要(SmPC)の全文については、www.ema.europa.euをご覧ください。世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。

がん分野におけるアッヴィについて
アッヴィでは、当社が持つ生物学の中心分野における深い知識を、最先端の技術と独自に組み合わせ、科学者、臨床専門家、同業企業、支援団体、患者さんなどのパートナーと協力して、がん治療に変革をもたらす医薬品の発見と開発に努めています。当社は、⼀部の非常に消耗性の高い広範囲のがんの治療法において、革新的な進歩を実現することに重点を置いています。また、患者さんが当社のがん治療薬を使用できるようソリューションの探求にも取り組んでいます。現在アッヴィのがん分野のポートフォリオは、市販されている医薬品と複数の新規分子を含むパイプラインで構成されています。それらは20種類を超える様々ながん種について300件以上の臨床試験において世界中で評価されています。詳細については、http://www.abbvie.com/oncologyをご覧ください。

アッヴィについて
アッヴィは、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業です。世界で最も複雑かつ深刻な疾患に対する、革新的な先進治療薬の開発を行っています。その専門知識、献身的な社員、イノベーション実現に向けた独自の手法を通じて、免疫疾患、がん、ウイルスおよび神経疾患の4つの主要治療領域での治療を大きく向上させることをミッションに掲げています。世界中の人々が持つ健康上の課題への解決策を進歩させるため、75カ国以上の国でアッヴィ社員が日々取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、LinkedInやInstagramでも情報を公開しています。

アッヴィ 今後の見通しに関する記述
本リリースにおける記載には、1995年米国私募証券訴訟改革法に示される「今後の見通しに関する記述」が含まれています。「確信」「期待」「予測」「計画」という言葉およびそれに類する表現は、一般に将来予想に関する記述となります。当社からの注意喚起として、このような将来予想に関する記述はリスクおよび不確実性による影響を受け、実際の結果と将来予想に関する記述での予測との間に大幅な相違が生じる可能性があります。このようなリスクおよび不確実性には、知的財産に対する脅威、他社製品との競合、研究および開発プロセスに特有の困難、敵対的訴訟または政府による介入、業界に関連する法律および規制の変更などがあります。

アッヴィの経営に影響を及ぼす可能性のある経済、競合状況、政府、科学技術およびその他の要因については、Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に提出済みのアッヴィの2018年度アニュアルレポート(10-K書式)の1A項「リスク要因」に記載しています。アッヴィは、法律で要求される場合を除き、本リリースの発表後に発生した出来事または変化によって、今後の見通しに関する記述を更新する義務を負わないものとします。


1. Fischer K, et al. Effect of fixed-duration venetoclax plus obinutuzumab (VenG) on progression-free survival (PFS), and rates and duration of minimal residual disease negativity (MRD-) in previously untreated patients (pts) with chronic lymphocytic leukemia (CLL) and comorbidities. Presented at the 2019 American Society of Clinical Oncology Annual Meeting: June 4, 2019; Chicago.
2. NCI dictionary. NCI Dictionary of Terms. Chronic Lymphocytic Leukemia. https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer-terms. Accessed January 2020.
3. World Health Organization. 2014 Review of Cancer Medicines on the WHO List of Essential Medicines. http://www.who.int/selection_medicines/committees/expert/20/applications/CLL.pdf. Accessed January 2020.
4. Summary of Product Characteristics for VENCLYXTO. Ludwigshafen, Germany: AbbVie Deutschland GmbH & Co. KG.