(3)目から離れても 思い出と出会い大切に

 
ドライブをした時に緑の磐梯山と田んぼが目の前にありました。雲の影で緑のニュアンスが変わるので、夏の色のパレットはこんな感じだ、と思いました

 Coucou、エミリーです! 先月、会津若松市での1年間の「体験生活」が終わりました。そして、いろいろな都合でいわき市に移住することになりました。

 この1年間は本当に早かったです。会津の春はとても楽しかった! 雪が解けて、少しずつ小さな花が咲き始め「ようやく春が来たよ」とよく感じました。会津美里町の川のそばから見た、桜と磐梯山の景色も最高でした。

 夏は...厳しかったです。関東の暑さと違っていて、汗をあまりかかず、熱中症になりました。元気な時には山やあちこちへ遊びに行きました。

 秋は、10月から目の前に水彩画みたいな景色が生まれました。仕事が忙しかった時期でしたが、赤べこグッズの納品で大川荘へ行った時に山の色を見て、うれしい気持ちになり元気が出ました。

 冬は、先月のコラムで書いた通り、「あたたかく」感じました。

 会津から引っ越す日が近づくと、友達、大切な仲間、一緒に仕事をしていた方からたくさんプレゼントをいただきました。手紙やお菓子、木、花、手作りのチョコ、ハンカチ、小法師(こぼし)などを。

 「こんなにもらってもいいの?」と思い、涙が出るぐらい、皆さんの気持ちをあたたかく感じました。

 会津からも、出会えた皆さんからも離れるのは悲しいです。フランス語のことわざに「目から離れると心からも離れる」というものがあります。でも、このことわざには続きもあります。「さっきのことわざはうそです。なぜなら、距離にかかわらず、思っているのはあなたのことだからです」というもの。会津から離れても、この1年間の思い出、出会いは心の中でとても大切にします。

 これからもグッズの納品や遊びに何度も会津へ行くと思います。そして、いわきは風が強いので、寂しくなったらいつでも会津へ飛んでいきます!

 これからは、浜通りを楽しんでいる赤べこのイラストを描きたいし、福島の魅力の発信を続けたいと思っています。

 そして、浜通りで農業もやりたいです。なに? いきなり農業!? 実は、去年から温めているプロジェクトです。会津の仲間は、いつも一生懸命にこの話を聞いてくれたり、応援してくれたりしました。どうなるのか分かりませんが、この道を歩いていきたいと思っています。もちろん、イラストも続けながら。

 会津の皆さんが私の背中を優しく押してくれたので、この想(おも)いを持って、これから浜通りで頑張ります。

 浜通りの皆さん、これからよろしくお願いいたします。

会津美里町の桜スポット初めての会津の冬の後は、春を大切に過ごしました!写真は会津美里町のおすすめ桜スポットです

大川荘秋にはよく大川荘へ行きました。短い間に森が秋の服を着ていました

 ★「Coucou」(ククー)は親しい間柄で使われる「やあ」「こんにちは」のようなフランス語のあいさつ。

 エミリー イラストレーター。東京などで語学講師として活動し、2021年2月から会津若松市に移住。趣味は散歩。猫好き。自身のサイト「メリエマリス」で、赤べこのイラストや県内スポットの紹介文とイラストマップなどを公開。オリジナルグッズも多数展開中。