【 福島市・あづま温泉 】 お気軽に『豊かな時間』 絶景の露天風呂
標高約500メートルのその露天風呂からは、福島市中心部から伊達方面までを見渡せる。福島市佐原のあづま温泉。絶景を楽しめる何ともぜいたくな環境だが、入浴料は350円と格安だ。
記者になる以前は東京に住んでいた。温泉は年に1度行くかどうかの遠出だったが、コーヒーチェーンでカフェラテを買う気軽さと値段で温泉を楽しめる、福島の豊かさを感じずにはいられない。
市中心部から車で西へ約30分。山道を上ると、野菜の無人販売所には「高原野菜」ののぼり旗が立ち、市街地では降っていなかった小雪が舞い始めた。温泉は高原らしい澄んだ空気に包まれた場所にある。
◆「特に夜景が最高」
駐車場からの眺望にしばらく見とれてから温泉にお邪魔すると、同温泉を管理するシニアライフ・ケアサービスの責任者古谷信市さん(68)が笑顔で出迎えてくれた。
温泉は2008(平成20)年にオープン。地下1250メートルから引く100%源泉掛け流しで、わずかに黄色がかったお湯には若干のとろみを感じる。塩分の多い炭酸水素ナトリウム泉で、近隣の土湯温泉とも湯質が異なる。乾燥肌やひざ痛、肩こりなどに良く、入浴後は寝つきがいいと評判だという。
湯の温度は約42度。長く入っていてものぼせず、体の芯から温まる。普段の入浴は「烏(からす)の行水」だが、居心地の良さについ長風呂をしてしまった。風呂上がりは、何もつけなくても肌がしっとりしている。
露天風呂からの眺めは、視界を遮るものがない。長年の常連だという同市の女性は「市街地から近く、絶景。友達を連れてくると喜ばれる」と話し、古谷さんは「特に夜景が最高」と太鼓判を押す。
温泉以外の楽しみ方もできる。駐車場には冷暖房完備のバンガローが5棟あり、1棟1泊3000円で宿泊できるほか、シニア層を中心に人気を集めるキャンピングカーの宿泊も受け入れている。温泉は350円で滞在中入り放題。口コミで県内外に人気を広げている。
「地元のお客さんが喜んでくれることが一番。安くきれいな温泉で心身を癒やし、明日への活力にしてほしい」と古谷さん。近くにある工業団地や介護施設などの夜勤明けの人が朝一番に利用することも多いという。
古谷さんは「温泉は自然の恵みだが、自然は地震や津波ももたらす。自然のありがたさと怖さを忘れないように」とも語る。東日本大震災直後は、近くのあづま総合運動公園に避難した被災者に温泉を無料開放したこともあった。露天風呂には般若心経を掲げ、駐車場には震災の供養塔を建てた。月命日には供養祭も行っている。
「地域の人に愛されてこその温泉」。古谷さんのその言葉が強く印象に残った。
【メモ】あづま温泉=福島市佐原字竹ノ森26。利用料は中学生以上350円(税込み)、小学生以下170円(同)、3歳未満無料。午前9時~午後9時(最終受け付け同8時30分)、木曜定休。
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【旬の甘~いイチゴが食べ放題】福島市荒井の「四季の里いちご園」では、ビニールハウス内で甘みたっぷりの「とちおとめ」を約2万3000本栽培、5月下旬ごろまでイチゴ狩りを楽しめる。旬のイチゴは練乳などいらないほどの濃厚な甘さで、家族連れや若者グループの人気を集めている。営業日は、4月10日までは土、日曜日、同11日以降は無休。時間は午前10時~午後4時(イチゴがなくなり次第閉園)。イチゴの生育に応じた開園状況は随時ホームページで公開している。料金は30分食べ放題で、4月10日までは小学生以上1600円(幼児1100円)など。
〔写真〕旬の甘い「とちおとめ」を楽しめる「四季の里いちご園」
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