【 矢祭町・ユーパル矢祭 】 癒し近場!駅から5分の『古代ローマ』

 
浴室中央に設けられた六角形の風呂。筋肉痛などを和らげる泉質と泡風呂の効果で癒やされる

 矢祭町の中心部のJR水郡線東館駅から徒歩5分。駅からこんな近場で湯が楽しめると聞き、町民の憩いの場・ユーパル矢祭にやって来た。

 1995(平成7)年の開設以来、「温泉に入れる研修センター」として企業などに活用されてきた。その後、町民から「日帰り温泉で楽しみたい」という要望を受け、日帰り温泉と宿泊施設が始まった。支配人の藤田謙治さん(65)は「県内よりも(茨城県の)水戸市や大子町の方が近場で温泉を楽しみに来てくれる」と話す。駅から近い強みだろう、高齢者で遠出しにくい人には訪れやすい場所だ。また、町に帰省する家族連れが宿泊だけで利用することもあるという。「食事は実家で済ませ、こちらには泊まるだけのお客さまも大歓迎です」と藤田さん。

 浴場に入ると、真ん中には六角形の浴槽。周囲の柱はまるでヨーロッパの古い神殿を思わせる。西洋史は詳しくないが、古代ローマを感じて気持ちが高ぶる。

 朝一で訪問したが、既に先客もいた。体を流し、浴槽に入る。水素イオン指数(pH)9.9のアルカリ性単純泉で、ちょうどよい湯加減が肌寒い季節にぴったり。普段はシャワーで入浴を済ませているが、やはり豊富な湯に抱かれるのは気持ちよい。ジェットバスも設置されており、多様な楽しみ方ができる温泉施設の醍醐(だいご)味(み)を余すところなく堪能する。

 先客の古針賢二さん(70)は「ここの一番風呂を楽しみにしている」と話した。古針さんは、10年以上通っている常連だ。開館と同時に入り、出入りを繰り返して時には3時間以上滞在することもあるという。「夏の暑い日もここの温泉は熱い。ぬるいお湯がよいという人もいるが、熱い方が好きだね」と古針さん。夜は仕事帰りのサラリーマンなどで混み合うので、午前中に入るのがよいという。

 次は外風呂。外は寒いが、湯に入れば話は別。少しヌルヌルした感触が肌のアカを落としてくれている感覚になる。塀があるため景色は眺めることができなかったが、その分、湯を楽しむことに集中できた気がする。

 ◆季節の味も魅力

 宿泊すると、町産のユズやアユなど季節の料理を味わえる。町の名産物であるアユの塩焼きは絶品らしい。

 だが今日は昼食で藤田さんおすすめのエビフライとハンバーグがセットの「ニコニコランチ」(980円)を堪能する。エビフライが大きいのが特徴で、ボリューム満点のご飯は、湯上がりの体によく入る。

 「日帰りであれば、朝一に来ていただいて一番風呂を堪能した後、食事を楽しんでからまた温泉に入るのも楽しいですよ」と藤田さんが教えてくれた。なるほど、そのような楽しみ方も面白い。駅から近いので車も必要ない。次回は、ビールと料理をセットにしよう。

矢祭町・ユーパル矢祭

 ≫≫≫ ほっとひと息・湯のまちの愉しみ方 ≪≪≪

 【「地元のユズ」丸ごと楽しめる】ユーパル矢祭内の売店で販売されている「ゆずシャーベット」(280円)は、町産のユズを使用した名産品だ。シャーベットの中にユズの果肉や果汁が混ざっており、香り高い。年間3000~4000個を町のユズ農家から仕入れ、中の果肉などを手作業でくりぬいているという。シャーベットを堪能した後の皮も、洗って煮込み料理に加えたり、ユズ風呂として楽しむこともできる。また、店内に併設されているレストランでは食事も楽しめる。レストランのおすすめはエビフライで、大きなエビとさくさくの衣が特徴だ。

矢祭町・ユーパル矢祭

〔写真〕矢祭町特産のユズを丸ごと容器にしたゆずシャーベット