「Fukushima50」リレーメッセージ(6)吉岡秀隆さん

 
 よしおか・ひでたか 埼玉県出身。子役としてデビューし、倉本聰のドラマ「北の国から」シリーズで一躍有名に。「男はつらいよ」シリーズでは24作に出演。「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズで日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を2度受賞している。

 ふるさと愛、家族を守るという強い思い。あのとき現場の人たちがどう行動し、どんな思いを抱いていたか。極限状態での人間ドラマが伝わればいいと願います。

 戦後最大の危機だった原発事故の最前線に踏みとどまり、死を覚悟して闘い続けた人たちが少なからず存在していたという事実を何より分かってほしいです。

 現実に起こった出来事を描いているので、現場に実際にいた人たちに納得していただける映画にしたいと思って撮影に臨みました。加えて撮影では、エンジニアとして原発をわが子のように思い、自分が救ってやりたいという気持ちを大事にしようと心掛けました。

 この作品をハッピーエンドと捉えていただきたくはありません。福島第1原発では現在も毎日数千人が働き、廃炉に向けて懸命に闘っています。かつての危機を知らない世代が生まれたとき、この作品があり、このタイミングで世に問う意味は大きい。極限状態では家族がどれだけ大きな力になるか、再認識してもらえるはずです。誰かのために生きるという力が福島復興につながると信じています。

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