映画・Fukushima50「黒板アート」完成!東京・新宿の映画館

 
会津学鳳高美術部の1年生が約6時間かけて制作した映画「フクシマフィフティ」の黒板アート作品

 東京電力福島第1原発事故直後、現場で懸命に対応した作業員や技術者らを描いた映画「Fukushima50(フクシマフィフティ)」を題材にして、会津学鳳高美術部が23日、東京・新宿の映画館「新宿ピカデリー」で黒板アートの作品を完成させた。作品は26日まで現地に飾られた後、各地で巡回展示する予定だ。

 同部の2年生は全国の中学、高校生が美術の腕を競う「日学・黒板アート甲子園2019」高校の部で最優秀賞に輝いた。今回は、1年生が先輩に引けを取らない表現力を発揮し、主演2人の肖像と富岡町の夜の森の桜並木を描き切った。

 作品を手掛けたのは会津学鳳高美術部の6人。大きさは縦0.9メートル、横1.8メートルで、約6時間かけて制作した。

 現地で開かれたお披露目イベントには、1、2号機当直長役を演じた主演の佐藤浩市さんと、サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」で活躍した丸山桂里奈さん(元東電女子サッカー部マリーゼ)が登場した。

 丸山さんは第1原発に勤務経験があり、映画で主演の渡辺謙さんが演じた故吉田昌郎所長とも親交があった。丸山さんは「夜の森の桜で吉田所長と花見をした思い出がある。優しくリーダーシップがある人で、仕事もサッカーもいつも応援してくれた」としのんだ。

 佐藤さんは黒板アートの作品を「チョークだけで描いたとは思えない」と絶賛。同席した部員には「あなたたちが語り部として後世に伝え、守らなければならない命に対し、当時の出来事を語れる時代になるとうれしい」と語り掛けた。

 映画は、作家・ジャーナリストの門田隆将さんのノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫)が原作で、3月6日に全国公開される。