映画『Fukushima50』公開 原発事故「あの時は」、上映館で号外

 
配布された号外に見入る来館者=6日、郡山市・郡山テアトル

 東京電力福島第1原発事故直後の現場で対応に当たった作業員らを描いた映画「Fukushima50(フクシマフィフティ)」が6日、全国公開された。県内では郡山テアトル、フォーラム福島、イオンシネマ福島、まちポレいわき、ポレポレシネマズいわき小名浜で上映が始まった。

 映画の製作委に参加している福島民友新聞社は公開初日に合わせ、丸の内ピカデリーなど東京、大阪、名古屋、仙台の上映館で号外を配布。紙面では、東日本大震災と原発事故から9年を迎える本県の今の姿と、出演した佐藤浩市さんと渡辺謙さん、監督の若松節朗さんのインタビューを伝えた。県内の上映館と会津若松市でも配った。

 郡山市の郡山テアトルを訪れた来館者(60)=会津若松市=は原発事故の発生時、福島市で観光業に携わっており、風評で大きな影響を受けたという。「どうしても公開初日に見たかった。あの時、原発で何が起きたのか、あらためて考えたい」と話した。同館では入り口に消毒液を設置するなどして新型コロナウイルス対策を行った。

 同映画は作家門田隆将さんの「死の淵を見た男 吉田昌郎(まさお)と福島第一原発」(角川文庫)が原作。原発事故後、最悪の事態を避けようと、放射線量の高い原発内で力を尽くした約50人の作業員らの姿をモチーフにした。

 タイトルは、海外メディアが作業員らをたたえた呼び名から付けられた。

 配給は松竹、KADOKAWA。