映画「Fukushima50」佐藤浩市さんら4カ月ぶり舞台あいさつ

 
4カ月ぶりに舞台あいさつする渡辺謙さん(左)と佐藤浩市さん=9日、東京・有楽町の丸の内ピカデリー

 映画「Fukushima50(フクシマフィフティ)」のカムバック上映記念舞台あいさつが9日、東京・有楽町の映画館「丸の内ピカデリー」で行われた。出演した佐藤浩市さん、渡辺謙さんが東京電力福島第1原発事故や新型コロナウイルス禍での映画の在り方について思いを述べた。

 舞台あいさつが延期され、コロナ禍での実施となったことについて佐藤さんは「原発事故について自分たちは身近に起こったのに知らな過ぎた。コロナでも最前線で頑張っている医療従事者の方々が偏見の中で生活を送らなければならなくなった。物事を正確に知ることの大切さを今、感じている」と話した。

 この日は福島第1原発所長を務めた吉田昌郎(まさお)氏の命日。吉田所長役の渡辺さんは「コロナでも災害でも、現場の声が一番大事。吉田さんは伊崎(佐藤さんの役柄)と共に本店、政府とも闘った。この日に映画を届けられて吉田さんも喜んでくれるのではないか」と遠くを見つめた。

 映画は、原発事故直後の現場で奮闘した本県の作業員らを中心に描いた。東京での舞台あいさつは当初、全国公開翌日の3月7日に予定されていたが、新型コロナ感染拡大によるイベント自粛要請で約4カ月延期されて行われた。

 映画は、県内ではフォーラム福島、イオンシネマ福島、郡山テアトル、まちポレいわきで上映中。