【投資はじめました(3)】「信託商品」多種多様 収益重視リスクあり

 

 今回の投資目的は「積極的にリスクをとって収益性を重視したい」―。東邦銀行本店の窓口で相談シートに意向を記入すると、行員の板垣七瀬さん(28)から投資信託を薦められた。

 投資信託はファンドと呼ばれる金融商品。「運用のプロ」が金融機関などを通じて顧客から資金を集め、有望な国内外の株式や債券などに投資する。顧客は運用で得られた利益の分配や商品自体の価値上昇によって資産が増やせる。初心者でも少額から手軽に始められるのが特徴だという。

 タイプは国内と海外のそれぞれ債券、株式、REIT(リート、不動産投資信託)に大きく分かれる。債券は各国の国債や企業が発行する社債などで、利子や償還日に元本が戻ってくることから、安定的な運用に向く。株式やREITは景気に左右されるリスクもあるが、値動きで大きな利益が出る可能性がある。

 運用会社はこれらをパッケージ化した投資信託の商品を販売しているわけだ。

 一方、必ずもうけが出るとは限らない。投資する株式などは経済動向などによって価格が変動し、新型コロナウイルスといった非常事態が起きれば、市場の混乱を招く。投資の結果次第では逆に元手の資金が減ってしまう「元本割れ」も起きる。預金とは異なり、元本が保証されていないため、赤字になるケースがある。

 商品は債券、株式、REITに分散投資する「バランス型」や成長著しい分野に集中的に投資する「海外株式型」などさまざまだ。ファンドのカタログに目を通すと、投資対象やリスクの度合いが記されていた。

 記者はある程度のリスクを受け入れ、当面使う予定がない「余裕資金」を長期運用で増やす目的を掲げている。運用はプロに任せるだけ。だが、多くの商品を前に目移りしていた。(鈴木健人)