【投資はじめました(5)】ドル・コスト平均法 一定額を毎月積み立て

 

 「+545円」。投資信託の3商品に1万円ずつ投資し、開始数日でわずかな利益が出た。商品の価格は日々変動しており、マイナスの時もあるが、運用状況の確認が楽しみになった。

 ただ、一喜一憂はしていない。一括購入ではなく、毎月の積み立てにしているからだ。一定額を継続的に投資すると、価格が高い時の買い過ぎや低い時の買い損ないを防ぎ、買い付け単価を引き下げられる。「ドル・コスト平均法」と呼ばれ、値動きがある商品に投資する際に有効な手段だ。

 価格が下落したタイミングで投資額を増やし、再び上昇すれば、さらに運用益が生み出せる。市場の動向に目を配ることも大切だ。

 会社で資産運用について話題にすると、多くの同僚は何らかの金融商品に投資していた。銀行員との付き合いで投資信託を購入した人、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」に加入する人...。祖父から相続した株式をよく分からないまま保有している社員もいた。お金の話はタブー視されがちだが、誰もが関心を持っているテーマだ。

 しかし、東邦銀行の顧客で資産を運用している割合は20人に1人。本県は手堅い県民性が背景にあるのか、投資に消極的な人が多いという。同行の幹部は「日本ではまだまだ『投資=ギャンブル』と見られがちだ」と指摘する。

 金融知識に関する全国調査でも、本県は正答率の都道府県別順位が2016(平成28)年にワースト6位(前回19年は22位)だった。記者も金融知識に乏しい一人だが、知人からの誘いをきっかけに銀行窓口で投資について分かりやすい説明を受け、投資デビューを果たした。

 一つ欲を言えば、もっと早くから預金を投資に振り向け、資産を増やしたかった。今後も「お金との共働き」を続けていきたい。(鈴木健人)=おわり