連載 ホーム 県内ニュース スポーツ 社説 イベント 観光 グルメ 健康・医療 購読申込  
 

   
 
省エネ家電
省エネ家電
大型から小型まで、格段の省エネが進んだ冷蔵庫。家電量販店を訪れる客の多くが電気料金削減の効果を第一に尋ねるという=福島市・コジマNEW福島店
第2部 エコの落とし穴

(1)省エネ家電 //消費者に委ねられる選択//  (08.03.16)
 転勤や進学の季節を迎え、県内の家電量販店は土曜、日曜ともなると大変な混雑ぶり。各家電メーカー、量販店とも環境の時代を意識、省エネルギーへの対応を年間の電気料金削減効果の形で示しており、消費者側も数値のわずかな違いを入念に確認する。省エネ意識の広がりを物語っている。
 「大きい冷蔵庫に買い替えたのに、『もったいない』といって古い冷蔵庫も使っていませんか。お父さんの単身赴任が終わると小さな冷蔵庫も家に帰ってくる。必要ないのに使っていませんか」。県と県地球温暖化防止活動推進センターが福島市で開いたセミナーで、講師の大庭みゆき環境総合研究所長は、省エネ技術が進んでも使い方を間違えば消費電力の増加につながると警告した。
 家庭の消費電力でトップだった冷蔵庫は大幅な省エネが図られた。東京電力省エネルギー・効率利用推進グループの木村千秋さんは「10年間で40%も省エネが進んだ。新しい大きい冷蔵庫の方が、古い小さな何台分よりも消費電力が少ないこともある」と話す。
 電気事業連合会によると、家庭用電力に占める冷蔵庫の割合は2002(平成14)年度で15.8%。30―40%を占めた80年代に比べてかなり下がっている。しかし、消費電力量はさほど変化がない。
 全国地球温暖化防止活動推進センターのまとめでは、1世帯当たりの冷蔵庫の数は約1.3台。エアコンやカラーテレビは急速に伸びて2.5台に迫る。保有台数が減らないため、省エネ機器をそろえても全体の消費電力量が下がらない。
 古い家電製品をどう使い、いつ買い替えるか。「もったいない」運動を推奨する県にとって、地球温暖化防止への県民運動に重点を置く中で広報が難しい。「環境省は長期的にみて環境負荷が少ないエコ商品を選ぶよう『本当のもったいない』を言い出した。県民もよく考えて、と広報したい」(環境活動推進グループ)。
 県内の「もったいない」運動をリードする県商工会連合会の担当者は「なるほど、その話も進めていかなければならないだろう」と話す一方、古いものを大事に使う運動の趣旨と活動の重みも大切にしたい意向。
 東電への問い合わせ電話に応じる木村さんらは「冷蔵庫の買い替え時は10年ぐらいでしょう。でも『古いものを大切に使うエコ』もある。あとはライフスタイルにどう合わせるか」と、判断は消費者自身の選択に委ねている。
   
 


〒960-8648 福島県福島市柳町4の29
個人情報の取り扱いについてリンクの設定について著作権について

国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN