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『環境’08 ふくしまを守る』トップ

   
 
「結いの精神」
「結いの精神」
白河市みさか地区の新白河ニュータウン。環境保全活動を通して「結いの精神」が築かれようとしている
第5部 環境社会へ

(5)保全活動で支え合う //NPO設立 夢抱く住民//  (08.12.07)
 JR新白河駅から車で5分ほどの白河市みさか地区にある「新白河ニュータウン」(873区画)。約2300人が住むこのニュータウンで、環境保全活動を主な目的としたNPO法人みさかMMCセンターが今年7月に発足した。
 センターの運営は住民。既存の町内会などと連携、空いている区画や公園などの草刈り、道路の緑化、緑の景観づくり、ごみ集積場など公共的な施設の管理などを行っている。一斉清掃の際には集めた雑草を市のごみ焼却施設に出さずに堆肥(たいひ)化、住民に配ったり公園の街路樹にまくなど「循環型社会」を目指す活動も展開している。
 センターは、ニュータウンの供用施設を管理していた会社と住民との契約上のトラブルで管理会社が撤退したことが設立のきっかけとなった。住民自らが公園や街路樹など公共施設の緑化や未分譲区画の草刈り、ごみ集積場の維持管理を行うようになり、NPO法人の設立にこぎつけた。
 設立の中心的な存在になったのが同センター理事長の斎藤与司二さん(49)。斎藤さんは二本松市出身で2年前にニュータウンに居を構えた。東京電力の社員で東京都内の本社に新幹線通勤している。仕事では緑化工学を専門とし、送電線を通す際の緑化や尾瀬の調査、自治体の地域づくりなどに携わってきた。
 斎藤さんは休日の土、日曜はセンター運営にかかりきりだが、「『環境の意識が高いよね』と言われるように、環境を軸に置いてニュータウンの価値を上げたい」と話す。
 センターの活動は環境保全ばかりにとどまらない。ニュータウンには、小さな子どもを持つ世帯や定年を迎えた人たちも住んでいるが、多くは仕事の現役世代で町内会などの担い手が少ない。このためセンターは、地域コミュニティーを充実させるため、町内会や老人会、子供会などと連携しながら住民の交流イベントや医療関係の講習会などを実践する。
 斎藤さんは「困ったときにはお互いさまという結いの精神をここでつくりたい」との夢を抱く。住民による環境保全活動は、住民相互が支え合う社会の実現に広がろうとしている。
(おわり)
   
 


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