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 福島短観は悪化 
 
  先行き不透明感強く反映

 6月の福島短観は前回(3月)調査比、大幅に悪化した。企業の景況感を示す業況判断DIは前回調査の「良い」超の12から2へと急落。とりわけ製造業は、欧州債務問題に起因する世界経済減速の影響から、実に15ポイントもの大幅な悪化となった。
 一方、全国短観は前回調査から2ポイントの改善。東北他県も総じて改善傾向にあり、そうした中にあって、当地の大幅悪化はやや意外感さえある。
 下振れの要因は、第一に世界経済減速の影響を受けた中国経済の再点火の遅れ。当地主力の電子デバイス関連や建設機械部品などに大きな影響が見られた。
 特に、電子デバイスが当地製造業中に占めるウエートは高く、他地域との比較で見劣りする要因となった。同時に、復旧復興需要の一服を理由とした非製造業の判断引き下げも目立った。
 もっとも、県内個人消費をめぐるマクロ指標は一時期ほどの勢いはないにせよ、引き続き改善している。短観でも非製造業の売上高見通しはさらに上方修正されるなど決して弱くない。
 にもかかわらず、一時の勢いが感じられないといった弱めの材料に反応しやすい風潮は県経済の先行き不透明感を強く反映している。こうしたマインドの慎重化が、投資や雇用を含めた経済活動の萎縮につながらないことを願う。

けいざい散歩


2012年7月8日付
福島民友新聞に掲載

 

 

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