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 勇壮な相馬野馬追 
 
  将来に向けた希望の光

 先週日曜日に相馬野馬追を見た。甲冑(かっちゅう)競馬や神旗争奪戦が行われた南相馬市原町区の祭場は、炎天下にもかかわらず例年以上の人出でほぼ満席。勇壮な中にも地域の祭りらしく、地元の方々の強い絆を感じさせる内容も素晴らしいものだった。直前に行われた武者行列も騎馬武者になりきった参加者の迫真の演技が、沿道を埋め尽くしたファンを魅了した。県内外から集まった応援客も完全復活となった熱い祭りを大いに堪能したのではないか。
 観覧後は地元スーパーで出荷が再開されたばかりの相馬産のミズダコを購入してみた。大ぶりのタコは足1本で大皿に山盛りになるほどの迫力で、しかも評判通りの美味。安全性が認知されるにつれ、売れ行きが戻ると確信した。
 南相馬から福島への帰路は渋滞を避けて相馬を経由してみた。相馬への寄り道は開通間もない常磐自動車道のおかげで実にスムーズだった。当地域の住民の方々も、中通り方面への交通路の選択肢が広がり、逃げ場のない不安感は幾分和らいだと感じているのではないか。
 海岸線は相変わらずの荒れ野原で復興への道のりは依然険しい。ただ目を凝らせば、将来に向けた明るい兆しも少しずつ見え始めている。そんな思いを強くした野馬追観賞の一日だった。

けいざい散歩


2012年8月6日付
福島民友新聞に掲載

 

 

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