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 福島市の物価上昇 
 
  一時的な資金流入寄与

 日本経済にデフレ基調が定着して久しいが、最近の福島市の消費者物価が全国との比較で見て上昇傾向にあるという事実をご存じだろうか。とはいっても、上昇率は前年比1%以下で、全国平均との乖離(かいり)も0.5%ほどだから、物価が上昇しているという実感はないかもしれない。
 震災前は家電量販店の進出などから、福島市の物価はむしろ全国並み以上に下落。それが震災を機に価格より品ぞろえや安全性が重視され、時節柄、大手量販店などの派手な価格競争も影を潜めたこともあって上昇に転じた。その後、全国は従来と同様の安値競争がぶり返したが、当地では小売業者による強気の価格設定が最近まで大きくは崩れていない。
 その顕著な例が3〜4月の家電。春先の新モデル投入にもかかわらず、全国では値崩れが止まらなかったのに対し、当地は家電製品の価格が上昇した。賠償金などの一時的な資金の流入が庶民の財布のひもを緩める効果もなにがしか寄与したものと思われる。
 この夏はウナギの消費量が多い一部地域(名古屋、静岡など)において、ウナギの値上げが消費者物価全体の押し上げに寄与しているともいわれる。あまり目立たない経済指標の中にも、地域の特徴的な動きが反映されており、意外に面白い気付きがあるものだ。 

けいざい散歩


2012年8月20日付
福島民友新聞に掲載

 

 

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