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 復権間近な県産品 
 
  「真の実力」が試される

 福島の農業関係者の表情が明るい。地元農協の直営店に例年並みの客足が戻り、量販店からも徐々にではあるが、県産品の売れ行き回復を指摘する声が聞かれる。関係者の懸命な除染努力や検査体制の充実が実を結び、厳しい地元消費者の間にも「出荷されているものは安心」という評価が定着してきた。
 この夏は東京でも福島産あかつきが果物店の店頭に並ぶ姿を数多く見た。拙宅のある私鉄沿線のスーパーには会津産野菜コーナーも登場した。昨年はもちろん、震災前にも見掛けなかった光景だ。猛暑で山梨産の桃の出荷が細り、福島産がそれに取って代わるという幸運もあったようだが、昨年来の懸命の売り込みが販路拡大につながり、「災い転じて」という面も大いにあるように思う。
 もちろん、まだまだ厳しさも残る。農林水産省が実施する卸売市場調査では、県産の桃やキュウリの価格は、昨年との比較では改善著しいが、他県産に比べれば依然として最安値圏にある。東京都内の被災地アンテナショップの売れ行きも半減し、応援需要の勢いも急速に鈍ってきた。
 福島の力になりたいという同情票頼みから脱却し、再び県産品の「真の実力」が試される時期が来ている。今後とも、幅広く県産品の魅力を広める努力を続けてほしい。


けいざい散歩


2012年9月17日付
福島民友新聞に掲載

 

 

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