minyu-net

連載 ホーム 県内ニュース スポーツ 社説 イベント 観光 グルメ 健康・医療 販売申込  
 
 >>> けいざい散歩TOP
 農地の有効活用を 
 
  耕作放棄地は拡大一途

 本県に所在する耕作放棄地の面積は2万2394ヘクタール。県内農地の18%を占め、面積では全国一だ。5年前との比較でも4割増加した。これとて震災前のデータだから、実勢はもっと増えているに相違ない。
 なぜ、本県に耕作放棄地が多いのか。過去の無理な開墾政策の失敗という面が大きいようだ。原発事故により利用できなくなった農地を含め、耕作に適さない放棄地が少なからず存在する。今後も担い手の高齢化が進み、拡大の一途をたどると予想される。
 政府が農業を成長分野と位置付けるように、日本の農業の潜在力は大きい。安全かつおいしい作物をより低コストで生産できれば、アジア諸国の富裕層への拡販も視野に入る。そのためにも担い手の減少など農業を取り巻く現実を直視し、企業との連携による6次化、高付加価値品や優良農地の耕作に特化するなどの取り組みが望まれる。
 しかるに日本の農業を規律する農地法は、自営農家の育成・維持を基本とし、一定規模以上の農地の転用を原則認めない。企業の参入も厳しく規制する。復興の過程では、こうした規制が農地への太陽光パネル設置の妨げになるなど、弊害も指摘される。少なくとも本県の場合、県土の有効活用を図る観点から、現行規制の妥当性を問い直してみる必要がありそうだ。


けいざい散歩


2013年3月18日付
福島民友新聞に掲載

 

 

福島民友新聞社
〒960-8648 福島県福島市柳町4の29

個人情報の取り扱いについてリンクの設定について著作権について

国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c)  THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN