朝ドラ・エールに歓喜「念願かなった」「福島市民として幸せ」

 
放送開始を喜ぶ福島商工会議所青年部=30日、福島市

 「念願がかなった」「福島市民として幸せ」。3月30日放送が始まった福島市出身の作曲家古関裕而と妻金子(きんこ)の生涯をモデルにしたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「エール」。朝ドラ誘致活動を先導した福島商工会議所青年部員は同市のJR福島駅東口駅前広場に集まり、駅前の大型ビジョンで初回放送を見届けた。

 同青年部は、2014(平成26)年から古関夫妻がモデルの朝ドラ実現に取り組んできた。4月1日から会長に就任する渡辺啓道さん(45)は「次の目標は東京五輪開会式で古関メロディーの『オリンピック・マーチ』を奏でること」と掲げ「朝ドラの盛り上げはもちろん、古関の功績の発信に尽力したい」と意気込んだ。

 親戚の古関嘉子さん「元気にしてくれる」

 同市の古関裕而記念館では、開館以来初めて常設展示の一部をリニューアルし、朝ドラをPRする展示も設置した。30日に来館した古関家の親戚の古関嘉子さん(82)=同市=は展示を眺め「日本中を元気にしてくれる夫婦の物語を楽しみにしたい」と思いをはせた。記念館の展示は今秋にも全面的に刷新される予定。

 「古関のまち」としてのまちづくりも加速する。31日から「エール」の放送開始に合わせたラッピングバスが運行。木幡浩市長は「音楽のまちとして多くの人がわくわくするまちづくりを展開したい」とした。

 川俣町民「川俣町の登場楽しみ」

 古関とゆかりのある川俣町では3月30日、放送開始に合わせ、始業前の町職員や町民が町役場に集まった。約25人が午前8時の放送が始まると食い入るように画面を見つめていた。

 同町は、銀行員だった古関が妻金子との出会いなど人生の転機となる時期を過ごしたゆかりの地。「古関裕而ゆかりのまち かわまた協議会」の佐久間弘行会長(60)は「盛り上がるきっかけになってほしい。川俣町が登場するのを楽しみにしている。主題歌も良かった」と気に入った様子だった。