巨人・闘魂こめて!阪神・六甲おろし!共に古関裕而の『名曲』
「永遠のライバル」であるプロ野球の巨人と阪神。3カ月遅れで19日開幕した今季は伝統の一戦が開幕から実現し、巨人が3連勝した。いつもは両チームの応援歌「闘魂こめて(巨人軍の歌)」「六甲おろし(阪神タイガースの歌)」が鳴り響くはずが、史上初の無観客試合で球場はひっそり。試合に花を添えるこの2曲は、実は福島市出身の古関裕而が作曲している。
古関は、1931(昭和6)年に作曲した早稲田大応援歌「紺碧(こんぺき)の空」が好評を博した。このため、野球関係者から作曲の依頼が舞い込み、31年には「日米野球行進曲」、34年には「都市対抗野球行進曲」を作曲していた。
「日本職業野球連盟」というプロ野球連盟が発足した36年には、大阪タイガース(現阪神)から日本コロムビアに球団歌の制作依頼があり、古関が「大阪タイガースの歌」を作った。
現存する球団の応援歌として最も歴史が古く、歌い出しから「六甲おろし」の愛称で阪神ファンに歌い継がれてきた。61年の球団名変更で「阪神タイガースの歌」となった。
対する巨人は39年、古関に作曲を依頼して最初の巨人軍の歌「野球の王者」(歌唱は本宮出身の伊藤久男)を発表。その後、63年に巨人軍創設30年を記念し、古関が3代目の巨人軍の歌「闘魂こめて」を作曲。今も巨人ファンの士気を高める歌として歌い継がれる。
「古関裕而―流行作曲家と激動の昭和」という著書がある日大商学部准教授の刑部(おさかべ)芳則氏は「古関の勇壮なメロディーがスポーツ音楽に適していた。古関自身はスポーツが苦手だったが、そのコンプレックスをばねに、力強い名曲が生まれた」と評した。
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