わらじ音頭...古関が手紙で歌い方指示「景気よく掛け声かけて」

 

 1970(昭和45)年8月1日に初開催された県都・福島市の夏を彩る「福島わらじまつり」。まつりを盛り上げる「わらじ音頭」は同市出身の古関裕而が作曲した。当時、古関とやりとりした関係者方に古関直筆の手紙があることが4日、分かった。手紙で古関は「景気よく掛け声をかけて下されば良い」と囃子ことばの歌い方を指示している。

 同まつりは、夏の名物行事をつくろうと市商店街連合会が中心となって企画。わらじ音頭の作詞は茂木宏哉、補作は丘灯至夫で、人気歌手の舟木一夫らが歌った。手紙を所有している同市の国分章太郎さん(46)によると、国分さんの祖父が当時、市商連メンバー。当時の資料や写真など関係資料一式とともに手紙が自宅に残されていたという。

 要約すると、古関は手紙で「囃子ことばの部分は、楽譜の音程に関係なく、シュプレヒコールのような掛け声で、はやし立ててほしい」と求めている。古関裕而記念館によると「古関は曲が仕上がると依頼者に手紙で歌い方を助言していた」という。国分さんは「古関さんが古里の夏まつりを盛り上げようとした熱意が感じ取れる」と話した。