作曲家・古関裕而の青春たどる 県立図書館、野村俊夫らを紹介

 
古関のエピソードを語る守谷さん

 NHK朝ドラ「エール」のモデルとなった福島市出身の作曲家古関裕而の足跡をたどる講座が8月30日、同市の県立図書館で開かれた。市史編纂(へんさん)室の守谷早苗さんが「青春時代の福島と仲間たち」と題して講演した。

 守谷さんは、古関と幼少期から親交の深かった元福島民友新聞記者で作詞家の野村俊夫らを紹介。古関が自伝で「野村俊夫君は本名を鈴木喜八といい、私より4、5歳年長で、近所のガキ大将であった。体がそれほど強くない私はその他大勢組で、それでも仲良く遊んだものだった」と回顧していたことを取り上げた。

 また、守谷さんは無名だった古関がイギリスの作曲コンクールで2等入選の快挙を果たした際に「無名の青年古関君 一躍世界的作曲家となる」などと報じた新聞記事を解説。老舗呉服店に生まれ、当時は貴重だった蓄音機やレコードに触れて育った幼少期や、日本を代表する作曲家山田耕筰との出会いなどを挙げ、「古関は音楽的才能を伸ばすことができる環境にいて幸運だった」と総括した。

 講座は県立図書館の主催で約70人が参加した。