古関裕而編曲「五箇音頭」全国に発信 白河、盆踊り動画を撮影

 
古関裕而が編曲した五箇音頭の動画を撮影する住民ら

 白河市五箇地区に伝わる「五箇音頭」。福島市出身の作曲家古関裕而が編曲を担当したこの曲は、盆踊りなどで長年地域の人々に親しまれてきた。NHKの朝ドラ「エール」で古関に注目が集まる中、住民でつくる住みよい五箇をつくる会は、この曲の発信を通じ、地域を盛り上げようとインターネットでの動画配信など新たな取り組みを始めた。

 五箇音頭は、旧五箇村が同市に合併した直後の1956(昭和31)年に制作された。村長や貴族院議員を務めた大谷五花村(ごかそん)さんが作詞、息子の恭一さんが作曲を行い、編曲を古関が担当した。同地区では年に1度、五箇小の運動会で地域住民が披露するなど地域の盆踊り曲として受け継がれてきた。

 地区は人口の減少が進んでおり、同会の斎藤隆司理事(61)は「このまま人が減ってほしくない。やれることをやりきりたい」との思いを抱いていた。そこで古関が制作に携わった五箇音頭を通じて地区を広く発信できるのではないかと、動画投稿サイト「ユーチューブ」への盆踊り動画の投稿を企画した。

 24日には、同地区で投稿する動画の撮影が行われた。撮影には住民約10人が参加し、カメラを前に伝統の踊りを披露した。年内にも動画を投稿する。同会は、盆踊りの際の音源の更新も進めている。斎藤理事は「(動画を通じ)五箇の文化に触れて、興味を持ってほしい。いろいろな地域で五箇音頭を踊ってもらい、それを通じて五箇の魅力を知ってほしい」と話している。