音楽家のリモートワーク(中) 良しあし自分で判断

 
たくさんのテークが並んでいる例

 ハロー☆ 前回はリモートワークの作編曲編だったが、今回はレコーディング編だ。

 こちらも近年では当たり前になって来ている。PCの進化、大音量でアンプを鳴らさなくても超リアルなギターを録音できる機器の発達、音楽制作費の減少などの背景によるものだ。スタジオで録音するのが一番ともいえるが、納得いくまで個人で取り組めるメリットもある。

 しかし! そのメリットはデメリットにもなり得る時もある。スタジオでは、その曲の作曲者が必ず同伴するので、ギタープレーの良しあしのジャッジをしてくれる。裏を返せば、自宅録音のジャッジは全部自分でするということ。これは「ごまかせる」という利点が生まれるのではなく、僕たちプロは「もっと良いプレーができるはず!」と、何度もテークを重ねすぎてしまう悪循環に陥ることもあるのだ。これは経験と慣れによる判断力が必要になってくる。