知りたい金融用語【利上げ】景気過熱にブレーキ

 

 景気が過熱してバブル化しそうになったり、インフレ懸念が高まったりすると、その国の中央銀行は金利水準を引き上げる政策を取ります。利上げとは、中央銀行が政策金利(中央銀行が民間銀行に融資する際の金利)を引き上げることを指します。

 一般的に、中央銀行が利上げに踏み切ると、銀行の金利などが上昇するため、企業の設備投資の抑制や個人消費の意欲低下につながるため、景気の過熱にブレーキがかかるとされます。逆に景気が冷え込んでいる時は金利を引き下げて需要を喚起します。

 ただ、一気に金利が上がると景気は急速に冷え込むリスクがあるため、利上げの際には上げ幅や変更時期を慎重に見極めることが鍵となります。

 米国の利上げがよくニュースとなるのは、為替や株価といった世界経済に大きな影響を与えるからです。米国は2008(平成20)年のリーマン・ショック後の金融緩和に伴う低金利状態を改善するために段階的に利上げする方針で、日本でも動向が注視されています。

 (東邦銀行国際営業部)